フランス語で楽しむ「メグレ警視」

メグレ警視の原作本を味読する立場からフランス語の謎解きを試みます。横文字の文章を読み慣れるように

フランス語の慣用表現「足を失う⇒ 深みにはまる、うろたえる」

ー Cette affaire est si compliquée (---) que par moments j’ai l’impression de
perdre pied.
(©Georges Simenon : La Patience de Maigret; Chap.5)

「この事件はとても混み入ってるので、時々足が立たない深みに入ったような印象を覚えるよ。」
(#91『メグレと宝石泥棒』第5章; 原題は「メグレの忍耐」)

∞ ∞ ∞ ∞ ∞ ∞ ∞ ∞ ∞ ∞ ∞ ∞ ∞ ∞ ∞ ∞ ∞

si compliquée que(シコンプリケ・ク)とても複雑なので

par moments(パーモマン)時々、時折
イメージ 1

j’ai l’impression de < avoir(ジェランプレシォン) ~の印象を覚える

perdre pied(ペルドゥル・ピエ)直訳で「足を失う」だが「深みにはまる」「うろたえる」などの意味になる。
Wiktionnaire(ウィクショネール)によれば
perdre pied
(1)Ne plus trouver le fond de l’eau avec les
pieds. 足の先で水の底が見つけられない⇒ 深みにはまる
(2)Ne plus savoir où l’on en est. 自分がどこにいるかわからない
se décontenancer(ス・デコントナンセ)狼狽する、度を失う