フランス語で楽しむ「メグレ警視」

メグレ警視の原作本を味読する立場からフランス語の謎解きを試みます。横文字の文章を読み慣れるように

(フランス語警察用語)怖くなる

  Le commissaire comprit et eut peur, tout à coup.  Il eut, dans la poitrine une sensation désagréable et sa pipe se mit à avoir mauvais goût.

(©Georges Simenon : Maigret a peur; Chap.6) 

 

 警視はわかった。そして急に怖くなった。胸のあたりが気持が悪くなり、パイプがまずくなった。

(#60『メグレの途中下車』第6章)原題「メグレは恐怖の念を抱く」

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*捜査の話が医者アランの愛人ルイーズに及ぶと、急にメグレは怖くなった。ここの下りが作品の原題「メグレは恐怖の念を抱く」(Maigret a peur) に直結している。メグレは何の権限もないのに自分勝手に重要参考人の家に行き、話を聞き出し、判事にもその結果を伝えていなかった。明らかに捜査妨害を指摘されても反論できる余地はなかった。

 

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Le commissaire comprit < comprendre(ルコミセール・コンプリ)警視はわかった(単純過去形)

 

et eut peur, tout à coup < avoir(エウプー・トゥタクー)そして急に怖くなった(単純過去形)

 

Il eut, dans la poitrine < avoir(イルウ・ダンラポワトリーヌ)彼は胸のあたりが~になった(単純過去形)

 

une sensation désagréable(ユヌ・サンサシォン・デザグレアブル)気持の悪い感じ

 

et sa pipe se mit à avoir mauvais goût < se mettre(エサピプ・スミタアヴォワール・モーヴェグー)そしてパイプがまずくなり始めた(単純過去形)