フランス語で楽しむ「メグレ警視」

メグレ警視の原作本を味読する立場からフランス語の謎解きを試みます。横文字の文章を読み慣れるように

(メグレの特性)お子さんはおありですか?

Vous avez des enfants, monsieur le commissaire ?

  Ce fut au tour de Maigret de détourner la tête, car de n’en pas avoir était le grand chagrins de Mme Maigret.  Quant à lui, il évitait avec soin d’en parler. 

(©Georges Simenon : Les caves du Majestic; Chap.5) 

 

お子さんはおありですか、警視さん。」

 今度はメグレが顔をそむける番だった。子供がいないことはメグレ夫人の大きな憂いだった。彼にしてもそのことを話すのを注意深く避けていた。

(#42『ホテル・マジェスティックの地下室』第5章)

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*すべての親が子を思う心情は、事件に関わる場合には一層深刻さを増す。その心情をメグレにもわかってほしいとこの言葉を口にするのだが、メグレも痛いほどわかっている。メグレ夫婦には女の子がいたのだが、幼くして亡くしていたのだ。

 

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Crédit d’image : L’écran sur Youtube 

Téléfilm #7 “Maigret et les Caves du Majestic” avec Bruno Crémer

1993.01 © Dune / France2  

 

Vous avez des enfants < avoir(ヴザヴェ・デザンファン)あなたは子供を持っている

 

monsieur le commissaire(ムッシュ・ルコミセール)警視さん、警視殿

 

Ce fut au tour de xxx < être(スフュ・オートゥードゥ)今度は xxxの番だった(単純過去形)

 

de détourner la tête(ドゥ・デトゥルネ・ラテト)顔をそむける

 

car de n’en pas avoir(キャー・ドゥナンパザヴォワール)というのもそれを持たないということは

 

était le grand chagrins de < être(エテ・ルグランシャグラン・ドゥ)~の大きな憂いだった(半過去形)

 

Quant à lui(カンタリュイ)彼のほうでは、彼に関しては

 

il évitait avec soin d’en parler < éviter(イレヴィテ・アヴェクソワン・ダンパルレ)彼は注意深くそれを話すことを避けていた(半過去形)



**参考再出:(メグレの特性)親の気持  (2021.04.23) 『メグレの財布を掏った男』第6章

https://maigretparis.hatenablog.com/entry/2021/04/23/101419