フランス語で楽しむ「メグレ警視」

メグレ警視の原作本を味読する立場からフランス語の謎解きを試みます。横文字の文章を読み慣れるように

フランス語の慣用表現「糸から針へ⇒ 少しずつ」

De fil en aiguille, elle m’a avoué que Mimi avait un enfant… Mimi l’avait écrit à Gigi… Elle lui avait expliqué qu’elle s’était servie de cet enfant pour se faire épouser, bien qu’il fût sûrement de moi...

(©Georges Simenon : Les caves du Majestic; Chap.5) 

 

少しずつ彼女はミミに子供ができたことを私に打ち明けてくれました。ミミはそのことをジジに手紙に書いたんです。それがたしかに私の子であったのにもかかわらず、彼女はジジにその子を使って結婚してもらうんだと言っていました。」

(#42『ホテル・マジェスティックの地下室』第5章)

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*De fil en aiguille(ドゥフィランネギユ)直訳では「糸から針へ」だが⇒(慣用表現)少しずつ、知らず知らずに、気づかないうちに(裁縫起源?)

類似した言い方に au fur à mesure(オフュー・アムジュー =徐々に、だんだんと)があるが、どちらも外国人にとっては長ったらしい感じがする。

 

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Crédit photo : Magazine De Fil en Aiguille N°28 Hors-série Point de croix @amazon.fr

 

elle m’a avoué que < avoir, avouer(エルマ・アヴエ・ク)彼女は私に~を打ち明けた(複合過去形)

 

avait un enfant < avoir(アヴェタンナンファン)子供ができた(半過去形)

 

l’avait écrit à < avoir, écrire(ラヴェテクリ・ア)~にそのことを書いていた(大過去形)

 

Elle lui avait expliqué que < avoir, expliquer(エルリュイアヴェ・テクスプリケ・ク)彼女(ミミ)は彼女(ジジ)に~と説明した(大過去形)

 

*elle s’était servie de cet enfant < se servir(エルセテセルヴィ・ドゥセタンファン)彼女はこの子供を利用した(代名動詞の大過去形)elle が主語なので servi に e がついた

 

pour se faire épouser(プースフェール・エプーゼ)結婚になるために

 

bien qu’il fût sûrement de moi..< être(ビァンキルフュ・シュルマン・ドゥモワ)それがたしかに私の子であったのにもかかわらず(接続法・過去形)