フランス語で楽しむ「メグレ警視」

メグレ警視の原作本を味読する立場からフランス語の謎解きを試みます。横文字の文章を読み慣れるように

(フランス語警察用語)事件を手がける、見物人

  L’entrefilet du journal venait de donner un sens à ses vacances et il n’était pas d’aller, à son bureau, prendre l’affaire en main.  Pour une fois, il n’était qu’un spectateur et il trouvait la situation amusante.

(©Georges Simenon : Maigret s’amuse; Chap.1er) 

 

 新聞記事が彼のヴァカンスに何らかの意義を与えることになった。自分の仕事場に行って事件を手がけることはなかった。今回だけは一見物人に過ぎなかった。彼にはそれが面白い立場に思えた。

(#77『メグレ推理を楽しむ』第1章)

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*今回の事件ではメグレは最後まで警視庁に足を踏み入れることはない。それは信頼する部下の成長を試す機会でもあった。いつもの土俵でない環境で彼がどう事件に関われるのだろうか?

 

L’entrefilet du journal(ラントルフィレ・デュジュルナル)新聞の囲み記事 

 

*venait de donner un sens à ses vacances < venir(ヴネドゥドネ・アンサンス・アセヴァカンス)彼のヴァカンスに何らかの意義を与えたばかり(半過去形)

venir de inf. ~したばかりである(近接過去表現)

 

*il n’était pas d’aller < être(イルネテパ・ダレ)行くことはなかった(半過去形)

n’être pas de inf. ~することはない 

 

à son bureau(アソンビュロ)彼の勤務先に

 

prendre l’affaire en main(プランドル・ラフェール・アンマン)事件を手がける

 

Pour une fois(プーユヌフォワ)一度だけ、例外的に、今回だけは

 

il n’était qu’un spectateur < être(イルネテカン・スペクタトゥー)彼は一見物人に過ぎなかった(半過去形)

 

il trouvait la situation amusante < trouver(イルトゥルヴェ・ラシチュアシォン・アミュザント)彼は面白い状況だと思った(半過去形)




**事件の概容についてはこちらへ #77

https://maigretparis.web.fc2.com/enquetes/maig77samuse.html