フランス語で楽しむ「メグレ警視」

メグレ警視の原作本を味読する立場からフランス語の謎解きを試みます。横文字の文章を読み慣れるように

(フランス語警察用語)容疑者対質のための召喚状

» Bien entendu, chacun se croyait le seul à fréquenter l’appartement de la
rue Notre-Dame-de-Lorette…
ー Vous les avez détrompés ?
ー Non seulement je les ai détrompés, mais je leur ai fait remettre en main
propre, ce matin, une convocation pour une confrontation qui aura lieu ?
trois heures dans mon bureau…
(©Georges Simenon : L’ami d’enfance de Maigret; Chap.5)

「もちろん、各人とも自分だけがノートルダム・ド・ロレット街の住まいに通っていると思っていたのです。」
「彼らに教えてやったんですか?」
「教えてやるだけでなく、彼らには今朝、容疑者対質のための召喚状を親展で届けさせました。対質(対面)は午後3時に私の部屋で行います。」
(#96『メグレの幼な友達』第5章)

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Bien entendu(ビアンナンタンデュ)もちろん

chacun se croyait < se croire(シャカン・スクロヮイエ)各々が自分は~だと思っていた(半過去形)

fréquenter(フレカンテ)v.t. 通い詰める、つきあう、よく行く

Vous les avez détrompés ?(ヴレザヴェデトロンペ)les(彼ら)が動詞
avez の前にあるので、過去分詞に s が付いた。
détromper(デトロンペ)v.t. 間違いだと教える

fait remettre < faire remettre(フェ・ルメットル)渡す、届けさせる

en main propre(アンマンプロプル)直接本人の手に、親展で
en mains propres 辞書では main が複数形になっているが、上記の原文では単数形

convocation(コンヴォカシォン)n.f. 召喚状、呼出し状

*confrontation(コンフロンタシォン)n.f.(容疑者などとの)対質、対面
対質=証拠調べをするのに被告人・証人などを相対させて尋問すること
イメージ 1

参考画像:『メグレの幼な友達』の容疑者対質の場面
Youtube で今から15年前にフランスでTV放送されたメグレ警視シリーズのいくつかを見ることができる。画質が悪いがフランス語の勉強にはなります。

Crédit l’écran de Youtube : ''L'AMI D'ENFANCE DE MAIGRET''
film avec Bruno Crémer à 1:02:10

aura lieu < avoir lieu(オーラリュー)行われるだろう(単純未来形)