フランス語で楽しむ「メグレ警視」

メグレ警視の原作本を味読する立場からフランス語の謎解きを試みます。横文字の文章を読み慣れるように

フランス語の慣用表現「月に住んでいる⇒ ぼうっとしている」

ー Vous ne pensez pas s’il vit dans la lune ?  (---)

ー Désirez-vous voir le directeur ?  Bien qu’il ne puisse pas vous en dire plus que moi…

(©Georges Simenon : L’Affaire Saint-Fiacre; Chap.7) 

 

「彼はぼんやりしているんじゃないかと思いませんか?」(---)

「責任者に会われますか? 私以上にはそのことを話せませんけど。」

(#14『サン・フィアクル殺人事件』第7章)

 

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メグレは伯爵夫人の愛人だったメタイェの態度が捉えどころがないので、銀行員のゴーチエに聞いてみた。しかし彼はその質問には取り合わなかった。

 

Vous ne pensez pas < penser(ヴヌパンセパ)あなたは思いませんか?(現在形)

 

s’il vit dans la lune < vivre(シルヴィ・ダンラリュヌ)彼がぼんやりしているかどうか(現在形)

*être dans la lune 「月の中にいる」⇒「ぼんやりしている」「うわの空でいる」

慣用句の動詞としては vivre よりも être の方が一般的。

 

Crédit photo : “Max est dans la lune” - Dominique de Saint-Mars / Serge Bloch, 

Calligram @amazon.fr 

 

*参考記事:生きたフランス語見聞録

満月=バカ?

https://deslys.blog.fc2.com/blog-entry-56.html

 

Désirez-vous voir le directeur ?  < désirer(デジレヴ・ヴォワール・ルディレクトゥ)あなたは責任者に会いたいですか?(現在形)

 

Bien que(ビァンク)~であっても、~にもかかわらず

 

il ne puisse pas vous en dire < pouvoir(イルヌ・ピュイスパ・ヴザンディール)彼はあなたにそのことを話せない(接続法・現在形)

 

plus que moi(プリュス・クモワ)私よりももっと