フランス語で楽しむ「メグレ警視」

メグレ警視の原作本を味読する立場からフランス語の謎解きを試みます。横文字の文章を読み慣れるように

フランス語の慣用表現「耳に蚤を置く⇒ 怪しまれる」

ー Il fallait faire taire Théo, et cependant éviter de me mettre la puce à l’oreille

(©Georges Simenon : Maigret et la vieille dame; Chap.9) 

 

「テオを黙らせなくてはならなかった。それでも私に怪しまれるのは避けたかったんだ。」

(#59『メグレと老婦人』第9章)

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Il fallait faire taire < falloir(イルファレ・フェールテール)~を黙らせる必要があった(半過去形)

 

et cependant éviter de(エスパンダン・エヴィテドゥ)それでも~を避ける(原形) 

 

me mettre la puce à l’oreille(ムメトル・ラピュス・アロレィユ)私に怪しまれること(原形)

mettre la puce à l’oreille(メトル・ラピュス・アロレィユ)直訳では「耳にノミを置く」だが、「怪しまれる」「不信感を与える」「注意を引きつける」などの慣用表現。フランスではかなり古くから使われている。確かに、ノミを耳元に放せば「あれ何か変だな」という反応になるのは明らかだ。(再掲)

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Crédit photo : 「耳の中にノミを入れる」

Twitter フランス大使館 @ambafrancejp_jp 【今日の言葉】2017.05.17

https://twitter.com/ambafrancejp_jp/status/864755677868302336



*参考再出:フランス語の慣用表現「耳に蚤を置く⇒ 怪しまれる」(2018.08.20) 『メグレの幼な友達』第2章

https://maigretparis.hatenablog.com/entry/18625619