フランス語で楽しむ「メグレ警視」

メグレ警視の原作本を味読する立場からフランス語の謎解きを試みます。横文字の文章を読み慣れるように

フランス語の慣用表現「関係ないよ」(リァンナヴォワー)

Je n’ai rien à voir avec votre affaire Courçon.  Je suis à Fontenay-le- Comte, par le plus grand des hasards, pour serrer la main de mon vieil ami Chabot et….

(©Georges Simenon : Maigret a peur; Chap.1er) 

 

「私はクルソン事件とはまったく関係ないよ。フォントネー=ル=コントに来たのは、本当の偶然で、旧友のシャボの顔を見に来ただけなんだ。」

(#60『メグレの途中下車』第1章)原題「メグレは恐怖の念を抱く」

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*駅にメグレが着いたのを新聞記者が見つけて、てっきり事件の捜査のために呼んだのだと思い込んで取材をする。地元の警視もやって来て挨拶するが、事件のために来たのではないことがわかると引き上げる。

 

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Crédit d’image : L’écran sur Youtube 

Téléfilm #24 “Maigret a peur” avec Bruno Crémer

1996.11 © Dune / France2  

 

Je n’ai rien à voir avec votre affaire < avoir(ジュネ・リァンナヴォワー・アヴェク・ヴォートラフェール)私はあなたの事件とは何の関係もない

n’avoir rien à voir avec ~と全く関係ない(日常頻用句)直訳では「~と見るものは何もない」

 

Je suis à < être(ジュシュイア)私は~にいる

 

par le plus grand des hasards(パール・プリュグラン・デアザー)ほんのまったくの偶然で(偶然のうちの最大の偶然で)

 

pour serrer la main(プーセレラマン)直訳で「握手をするために」⇒表敬訪問のために

 

*de mon vieil ami(ドゥモン・ヴィエィユアミ)私の旧友の(形容詞 vieux は名詞が母音で始まるときは男性形でも vieil に変化する。女性形の場合は常に vieille )