フランス語で楽しむ「メグレ警視」

メグレ警視の原作本を味読する立場からフランス語の謎解きを試みます。横文字の文章を読み慣れるように

フランス語の慣用表現「話無しに⇒ つべこべ言うな」

ー Eh bien ?

ー Fini !... William Brown a été tué par un malfaiteur inconnu qui voulait lui voler son portefeuille…

ー Mais pourtant…

ー Quoi ?... Pas d’histoires !... 

(©Georges Simenon : Liberty Bar; Chap.11) 

 

「それで?」

「終わったよ! ウィリアム・ブラウンは財布を取ろうとした見知らぬならず者に殺されたのさ。」

「でもそれでも・・・」

「何が? どうでもないよ!

(#17『リバティ・バー』第11章)

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*メグレは地元の刑事ブティグに捜査の結果を伝える。ブティグは納得できないが、メグレはそれで押し切った。

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Crédit photo : L’écran sur Youtube du Téléfilm de “Maigret et le Liberty Bar” 

saison 1 épisode 26 © Dune/France2, 1997

 

Eh bien ?(エビァン)それで?

 

Fini ! < finir(フィニ)終わったよ!

 

a été tué par un malfaiteur inconnu < avoir, être, tuer(アエテチュエ・パーアン・マルフェトゥー・アンコニュ)見知らぬならず者に殺された(複合過去形・受動態)

 

qui voulait lui voler son portefeuille < vouloir(キヴレ・リュイヴォレ・ソンポルトフゥイユ)彼から財布を取ろうと欲した(半過去形)

 

Mais pourtant(メプルタン)でもそれでも

 

Quoi ?(クワ)何が?

 

Pas d’histoires !(パディストワール)ぐずぐず言うな、どうでもない(省略された命令形=元は ne fait pas d’histoires < faire(ヌフェパ・ディストワール)で慣用として複数形で使われる)

histoire n.f. 歴史、経歴、物語、もめ事、厄介な話