フランス語で楽しむ「メグレ警視」

メグレ警視の原作本を味読する立場からフランス語の謎解きを試みます。横文字の文章を読み慣れるように

フランス語の慣用表現「アヒル歩き⇒ 身体を左右に振って歩く」

ー Eh bien !  Moers vient de découvrir que le mort marchait en canard.
ー Comment  ?
En canard !  Les pointes des pieds en dehors, si vous voulez.
(©Georges Simenon : Maigret et son mort; Chap.3)

「ところで(鑑識の)ムルスが見つけたばかりですが、被害者はヒル歩きをしていました。」
「何だって?」
ヒル歩きですよ。つま先を外側に向けて歩くでもいいですけど。」
(#55『メグレと殺人者たち』第3章)

∞ ∞ ∞ ∞ ∞ ∞ ∞ ∞ ∞ ∞ ∞ ∞ ∞ ∞ ∞ ∞ ∞

*アヒル歩きはチャップリンの演技でも思い当たる。

vient de découvrir que < venir(ヴィァンドゥ・デクヴリール・ク)~ということを見つけたばかりです(現在形)venir de +inf. ~したばかりである
イメージ 1

Le vilain petit canard, Grande salle affiche
A La Folie Théâtre, Paris
@Billet Reduc

*le mort marchait en canard < marcher(ルモール・マルシェ・タンカナール)死んだ男はアヒル歩きをしていた(半過去形)

ここで言う「アヒル歩き」は、普通に立ったままの姿勢で身体を左右に振って歩く歩き方を指す。日本で足腰のトレーニングとして、しゃがんだ姿勢で足を交互に進めるアヒル歩きとは異なる。

En canard(アンカナール)アヒルのように  

Les pointes des pieds en dehors(レポヮント・デピエ・ザンドゥオー)つま先を外側に向けて

si vous voulez < vouloir(シヴヴレ)もしそれでよければ