フランス語で楽しむ「メグレ警視」

メグレ警視の原作本を味読する立場からフランス語の謎解きを試みます。横文字の文章を読み慣れるように

(フランス語警察用語)とても重要性のある事件で大至急お話ししたい

 Ernestine, dite la Grande Perche (---), que vous avez arrêtée, il y a dix-sept
ans, rue de la Lune, (---), sollicite l’honneur de vous parler de toute urgence
d’une affaire de la plus haute importance.
(©Georges Simenon :Maigret et la Grande Perche; Chap.1er)

 十七年前、リュヌ街で警視に逮捕された《のっぽ女》こと、エルネスティーヌがとても重要性のある事件で大至急お話ししたいと請願しています。
(#65『メグレと消えた死体』第1章; 原題は「メグレとのっぽの女」)

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*新しい事件の冒頭で、パリ警視庁の受付係の老人が書いて持ってきたメモの文面である。ちょっと勿体ぶった書き方をしている。
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*dite la Grande Perche(ディト・ラグランド・ペルシュ)のっぽの女という綽名  
dit / dite  adj. ~と言われた、綽名された、上述の、
perche  n.f. 棒、竿 /  la grande perche で男女を問わず「ひょろ長い人」「のっぽ」の意味がある。ここの場合は女性なので「のっぽ女」とした。

*que vous avez arrêtée(ク・ヴザヴェ・ザレテ)あなたが逮捕したという
arrêté に e がついたのは que の前の主節語が女性だから。

il y a dix-sept ans(イリヤ・ディセッタン)17年前に

sollicite l’honneur de < solliciter(ソリシト・ロヌードゥ)謹んで~をお願いする

de toute urgence(ドゥトウト・ウルジャンス)大至急で

de la plus haute importance(ドゥラプリュゾート・アンポルタンス)とても重要性のある.


**事件の概容についてはこちらへ #65