フランス語で楽しむ「メグレ警視」

メグレ警視の原作本を味読する立場からフランス語の謎解きを試みます。横文字の文章を読み慣れるように

(こだわりの酒)気だるい午後のビール

(---) Il était quasi béat.  La bière était fraîche, et l’ombre avait du goût, comme
à la campagne, peut-être à cause de la proximité du bois de Boulogne.
 Une après-midi de paresse.  Ils avaient bu deux demis.  
(©Georges Simenon :Maigret et la Grande Perche; Chap.3)

(---)彼は心穏やかと言ってもよかった。ビールはよく冷えていたし、木陰は趣があった。おそらくブローニュの森の近くであるせいか、田園にいる感じがした。
 気だるい午後、彼らは2杯飲んでいだ。
(#65『メグレと消えた死体』第3章; 原題は「メグレとのっぽの女」)

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*訪問を終えてから、さっきの店の外でメグレはビールを飲んだ。のっぽ女が夫のメモからこの場所を割り出して駆けつけてきたからでもある。
イメージ 1

Crédit photo : Vue de la rue de Long-
champ, Neuilly-sur-Seine, @Google
street-view

Il était quasi béat(イレテ・クァジベア)彼は心穏やかと言ってもよかった(半過去形)

La bière était fraîche < frais(ラビエール・エテ・フレシュ)ビールはよく冷えていた(半過去形)

*l’ombre avait du goût(ロンブル・アヴェデュグゥ)木陰は趣があった(半過去形)avoir du goût 味がいい、センスがある、目が効いている

comme à la campagne(コム・アラカンパーニュ)田舎にいるような

à cause de la proximité de(アコーズ・ドゥラ・プロクシミテ・ドゥ)~ に近接しているせいで

*bois de Boulogne(ボヮドゥ・ブローニュ)ブローニュの森、パリ市の西に隣接する広大な緑地帯、市民の憩いの場.

Une après-midi de paresse(ユナプレミディ・ドゥ・パレス)気だるい午後