フランス語で楽しむ「メグレ警視」

メグレ警視の原作本を味読する立場からフランス語の謎解きを試みます。横文字の文章を読み慣れるように

フランス語の慣用表現「口に水が出る⇒ よだれが出る」

 Il avait faim, tout à coup.  Faim et soif. L’image d’un verre de bière bien
fraîche, à la mousse argentée, lui faisait monter l’eau à la bouche.
(©Georges Simenon : Maigret et son mort; Chap.6)

 彼は急に空腹を感じた。飢えと渇きだった。よく冷えたビールの白光りした泡のグラスのイメージが生唾をかき立てた。
(#55『メグレと殺人者たち』第6章)

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*一斉検挙が一段落して、安宿から外に出たメグレは急に空腹と渇きを感じた。

Il avait faim < avoir(イラヴェファン) 彼は空腹を感じた(半過去形)

tout à coup(トゥタクー)突然、急に

Faim et soif(ファン・エ・スヮフ)飢えと渇き

L’image d’un verre de bière bien fraîche(リマージュ・ダンヴェールドゥビエール・ビァンフレシュ)よく冷えたビールのグラスのイメージ

à la mousse argentée(アラムース・アルジャンテ)白く輝く泡の

lui faisait monter < faire(リュイフゼモンテ)彼に起こさせた(半過去形)

イメージ 1
*Crédit photo : L’eau à la bouche
soundtrack de Serge Gainsbourg

*l’eau à la bouche(ローアラブーシュ)直訳では「口に水」だが「よだれ」のこと。日本語で「垂涎の~」という言い方がある通り、フランス語でも必ずしも食欲をそそる場合に限らずに使われる。意外にも各地のレストランの名前になっている

参考Youtube : l'eau à la bouche - serge gainsbourg