フランス語で楽しむ「メグレ警視」

メグレ警視の原作本を味読する立場からフランス語の謎解きを試みます。横文字の文章を読み慣れるように

(こだわりの酒)ロワールの白ワイン

  Le vin blanc lui tournait un peu la tête. Il n’y était plus habitué. Cela se buvait comme de l’eau fraîche et ce n’est qu’ensuite qu’on en ressentait les effets.

(©Georges Simenon : Maigret et le tueur; Chap.6) 

 

 彼はこの白ワインに少し酔った。飲み慣れないかどうかということではなかった。このワインは新鮮な水のように飲まれていたので、効き目を感じるのが後になってからでしかわからないのだ。

(#97『メグレと録音マニア』第6章)

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Crédit photo : IGP Val-de-Loire blanc @Wikipédia.fr  

*Val de Loire (IGP) 「ロワール渓谷の標識ワイン」以前は Vin de Pays du Val de Loire「ロワール渓谷の地ワイン」と称されていた。ロワール川流域は「渓谷」というほどの急峻な地形ではないが、慣習的に Val をつけて呼ばれている。

IGP(イジェペー)Indication géographique protégée 地理的保護指標=ワインの産地を識別する指標

 

*Le vin blanc lui tournait un peu la tête < tourner(ルヴァンブラン・リュイ・トゥルネ・タンプー・ラテト)白ワインは彼をちょっと酔わせた(半過去形)

tourner la tête à qn. ~をぼうっとさせる、酔わせる、夢中にさせる

 

Il n’y était plus habitué < être(イルニ・エテプリュ・ザビチュエ)もはや飲み慣れたかどうかということではなかった(半過去形)ne ~ plus もはや~ではない

 

Cela se buvait comme de l’eau fraîche < se boire(スラスビュヴェ・コムドゥ・ロフレシュ)そのワインは新鮮な水のように飲まれていた(半過去形)

 

ce n’est qu’ensuite que(スネカンシュィト・ク)それは~の後からでしかない

 

on en ressentait les effets < ressentir(オンナン・ルサンテ・レゼフェ)飲んだという感じを