フランス語で楽しむ「メグレ警視」

メグレ警視の原作本を味読する立場からフランス語の謎解きを試みます。横文字の文章を読み慣れるように

(フランス語警察用語)通りで客待ちの女

 Maigret descendait de voiture en face de l’Hôtel Bussière, situé à moins de
cent mètres du commissariat de police, ce qui n’empêchait pas deux ou trois
filles de rester plantées sur le trottoir avec des intentions fort évidentes.
ー Tu viens ?
 Il fit signe que non, trouva un veilleur de nuit derrière le guichet (---)
(©Georges Simenon : La Patience de Maigret; Chap.5)

 メグレはホテル・ビュッシエールの向い側で車を降りた。そこは区の警察署から100mも離れていないのだが、それに臆することなくニ~三人の娘があからさまな意図で通りに立っていた。
「あんた、どう?」
 彼は断わる仕草を見せて中に入り、カウンターの奥に夜勤の男を見つけた。
(#91『メグレと宝石泥棒』第5章; 原題は「メグレの忍耐」)

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*メグレはレストランでアリーヌが凱旋門の近くにホテルを所有しているという情報を得て、捜査に向かった。凱旋門の北側の大通りから路地に入ると、特に夜はいかがわしい商売女がたむろする場所でもある。エトワール街には17区の警察署もある。

*en face de(アンファス)正面の向い側(パリには一方通行の道が多いので、タクシーに乗っても目的地の向い側に降りることが多い。)
イメージ 1

Crédit photo : Vue d’un hôtel de la rue de
l’Étoile, 17e @Google street-view

situé à moins de cent mètres du(シチュエ・アモヮンド・サンメートルドゥ)~から100m以内に位置する

commissariat de police(コミサリア・ドゥポリス)n.m. 警察署

ce qui n’empêchait pas < empêcher(スキ・ナンペシェパ)妨げとならないことに⇒それにもかかわらず(半過去形)

rester plantées < planté(レステ・プランテ)立ったままでいた、じっと立っていた

intentions < intention(アンタンシォン)n.f. 意図

fort évidentes < évident(フォーテヴィダント) かなり明白な

Tu viens ?(チュヴィアン?)あんた来る?(こういう言葉を使っているのか?!)

*Il fit signe que non < faire(イルフィシーニュ・クノン)彼は否という身振りをした(単純過去形)
signe(シーニュ)n.m. しるし、合図、身振り、特徴
faire signe de la main 手で合図する

veilleur de nuit(ヴェイユードゥニュイ)ホテルなどの夜勤係