フランス語で楽しむ「メグレ警視」

メグレ警視の原作本を味読する立場からフランス語の謎解きを試みます。横文字の文章を読み慣れるように

フランス語の慣用表現「鼻の先をあやつる⇒ 思いのままにする」

» Quand il parlait de moi, c’était avec mépris… Il m’appelait le rouquin, ou bien “petites jambes”...
» ー Tu verras qu’il finira par te mener par le bout du nez
(©Georges Simenon : L’ami d’enfance de Maigret; Chap.5)

「彼が僕のことを話すときは軽蔑していたんだ。赤毛と呼んだり、短足と言ったりね。(彼女も)『彼はそのうちあんたを思いのままにするつもりなのよ』と言ってました。」
(#96『メグレの幼な友達』第5章)
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parlait de moi < parler(パルレドゥモヮ)私のことを話していた(半過去形)
mépris(メプリ)n.m. 軽蔑、蔑視、無視

rouquin(ルーカン)n.m. 赤毛

ou bien(ウビァン)または、あるいは( ou を強調する場合に言う)

petites jambes(プティトジャンブ)短足
jambe  n.f. 脚

il finira par < finir par(イルフィニラパー)彼は最後に~するに至るだろう(未来形)

*mener par le bout du nez(ムネパールブゥデュネ)鼻の先をあやつる⇒思いのままにする(慣用表現)
イメージ 1

mener v.t. 操る、連れていく、導く
bout du nez(ブゥデュネ)鼻の先

この表現は馬から由来するという。競走馬や飼い馬には頭から鼻先まで金具(銜ハミまたは頭絡)が付けられていて人間の意志に従わせるのに役立っている。

Le monde du cheval