フランス語で楽しむ「メグレ警視」

メグレ警視の原作本を味読する立場からフランス語の謎解きを試みます。横文字の文章を読み慣れるように

フランス語の慣用表現「火がなければ煙はない⇒火のない所に煙は立たない」

ー Chez nous, ce n’est pas comme à Paris. La prison, c’est la prison.  Les gens se disent qu’il n’y a pas de fumée sans feu.

(Georges Simenon : Maigret; Chap.8) 

 

「ウチのほうじゃパリのようには行かないのよ。牢屋は牢屋でしょ。火のないところに煙は立たないって言うから。」

(#19『メグレ再出馬』第8章)

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*メグレがホテルに戻ると、甥のフィリップの母親、つまりメグレ夫人の妹がアルザスからやって来ていた。田舎では息子が逮捕されたことで、親も肩身の狭い思いをしているのだという。

 

Chez nous(シェヌー)我々のところでは

 

ce n’est pas comme à Paris < être(スネパ・コマパリ)それはパリのようではない(現在形)

 

La prison, c’est la prison < être(ラプリゾン・セラプリゾン)牢屋は牢屋だ(現在形)

 

Les gens se disent que < se dire(レジャン・スディーズ・ク)人々は互いに言い交わしている(現在形)

 

il n’y a pas de fumée sans feu < avoir(イルニャパドゥフュメ・サンフー)直訳で「火なしでは煙は出ない」⇒「火のない所に煙は立たない」完全に日仏共通の諺である。

 

Crédit photo : Il n'y a pas de fumée sans feu - film 1972 @Cinéma Français

https://www.cinema-francais.fr/les_films/films_c/films_cayatte_andre/il_y_a_pas_de_fumee_sans_feu.htm