フランス語で楽しむ「メグレ警視」

メグレ警視の原作本を味読する立場からフランス語の謎解きを試みます。横文字の文章を読み慣れるように

(メグレの日常)晩メシに取っておいてくれ

ー C’est toi ?  Qu’est-ce que tu as à déjeuner ?  Non, je ne rentrerai pas mais garde-la moi pour ce soir.  Je sais que j’ai la voix un peu cassée.

(©Georges Simenon : Maigret et le marchand de vin; Chap.2) 

 

「お前か? 昼食は何かね? いや、戻れないんだが、今晩のためにとっておいてくれないか。ちょっと声が枯れたのはわかってるよ。」

(#98『メグレとワイン商』第2章)

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*メグレは自宅に電話して、今日の昼食には戻らないと話す。フランスでは昔は(今でもその習慣は残っている場合も少なくないが)昼食を自宅に戻って食べることが普通だった。メグレも捜査で忙しい場合を除いて自宅に戻っていた。

 

 

C’est toi ? < être(セトワ)お前か?

 

Qu’est-ce que tu as à déjeuner ? < être, avoir(ケスク・チュア・アデジュネ) 昼食に何があるか?(現在形)

 

Non, je ne rentrerai pas < rentrer(ノン・ジュヌラントルレパ)いいえ、私は戻らないだろう(単純未来形)⇒意思表示に近いので日本語では「戻れない」と言っている。

 

mais garde-la moi pour ce soir < garder(メ・ギャルドラモワ・プースソワー)しかしそれを私のために今晩用に取っておいてくれ。(命令形)

 

Je sais que < savoir(ジュセク)私は~を知っている(現在形)

 

j’ai la voix un peu cassée < avoir(ジェラヴォワ・アンプーカッセ)私はちょっと声が枯れている(現在形)壊れた声=声枯れ

 

 

**事件の概容についてはこちらへ #98

メグレ警視作品ノート:#98『メグレとワイン商』

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