フランス語で楽しむ「メグレ警視」

メグレ警視の原作本を味読する立場からフランス語の謎解きを試みます。横文字の文章を読み慣れるように

フランス語の慣用表現「申し訳ない」

ー Tu n’as pas pu venir hier ?

ー Justement !  Je te prie de m’excuser… (---) J’ai été obligé d’aller chercher le plombier, à cause d’eau crevée…  

(©Georges Simenon : Le fou de Bergerac; Chap.4) 

 

「昨日は来れなかったのかい?」

「そうなんだ!申し訳ない。 (---) 水漏れで水道屋を呼ばなくちゃいけなかったんだ。」

(#16『メグレを射った男』(ベルジュラックの狂人)第4章)

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*メグレは負傷してから、人格が変わったように不快な当てこすりやからかいの口調になったので、旧友のルデュックは気分を害していた。しかしそもそも彼がメグレを呼んだのが原因なので放置するわけにも行かず、一日空けてまた見舞に訪れた。

 

Crédit d’image : L’écran sur Youtube

Téléfilm “Maigret et le fou de Bergerac” de “Les enquêtes du commissaire Maigret” © Antenne 2, 1979; ©INA - Institut National de l'Audiovisuel

 

Tu n’as pas pu venir hier ? < avoir, pouvoir(チュナパピュ・ヴニール・イエー)昨日は来れなかったのかい?(複合過去形)

 

Justement(ジュストマン)まさにその通り  

 

Je te prie de m’excuser < prier(ジュトゥプリ・ドゥメクスキュゼ)勘弁してくれ(現在形)丁寧に言うと Je vous prie de m’excuser.

*excusez-moi(エクスキュゼモワ)はフランス語を学び始めの頃に必ず出てくる語句だが、フランス人の日常会話ではほとんど出てこない。Pardon の方がはるかに多い。フランス人はなかなか自分の非を認めたがらないので、改まって謝罪する場面には稀にしか遭遇しなかった。それがかえって「へぇ、やっぱりこうして謝るんだ!」と印象に残った。

**参考ブログ:「Je m'excuse」と言ってはいけない @ 生きたフランス語見聞録

https://deslys.blog.fc2.com/blog-entry-769.html



J’ai été obligé de < avoir, être(ジェエテ・オブリジェ・ドゥ)私は~を余儀なくされていた(複合過去形)

 

aller chercher le plombier(アレシェルシェ・ルプロンビエ)水道屋を呼びに行く(不定形)

 

à cause d’eau crevée(アコーズ・ドークルヴェ)水漏れのために