フランス語で楽しむ「メグレ警視」

メグレ警視の原作本を味読する立場からフランス語の謎解きを試みます。横文字の文章を読み慣れるように

メグレ警視の食卓「羊肩肉のファルシ」

 

  Pendant tout le déjeuner, dont le plat de résistance était une épaule de mouton farcie comme Maigret ne se souvenait pas d’en avoir mangé, Julien Chabot eut l’air d’un homme en proie à une mauvaise conscience.

(©Georges Simenon : Maigret a peur; Chap.4) 

 

 昼食のメイン料理は羊肩肉のファルシだったが、メグレにとっては食べたことを思い出せないくらい珍しかった。その間じゅうずっとジュリアン・シャボは後ろめたさに囚われた様子をしていた。

(#60『メグレの途中下車』第4章)原題「メグレは恐怖の念を抱く」

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*昼食は判事の家に戻って「羊肩肉のファルシ」を御馳走になる。メグレも食べた記憶がないくらいだという。珍しい田舎料理なのかもしれない。日本のフレンチレストランでは検索しても見つけられなかった。下記のYoutube では中年のオジサンが作り方を実演しているのがわかりやすい。(女性2人でおしゃべりしながら作る別の動画もあるが、余計なおしゃべりが多くて騒がしい)

*参考動画:Epaule d'agneau farcie @Couverts et Baguettes

 

 

Pendant tout le déjeuner(パンダン・トゥルデジュネ)昼食の間じゅうずっと

 

*dont le plat de résistance(ドンルプラ・ドゥレジスタンス)その中でのメインの肉料理 plat de résistance(抵抗の皿=食べ応えのある料理=主菜)

 

*était une épaule de mouton farcie < être(エテ・ユネポール・ドゥムートンファルシ)羊肩肉の詰め物料理だった

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Crédit photo : Epaule de mouton farcie  @Le Journal des Femmes - cuisine

https://cuisine.journaldesfemmes.fr/recette/333066-epaule-de-mouton-farcie

 

ne se souvenait pas d’en avoir mangé < se souvenir, manger(ヌススーヴネパ・ダンナヴォワーマンジェ)それを食べたことを思い出せなかった(半過去形)

 

*eut l’air d’un homme en proie à < avoir(ウレーダンノム・アンプロワ・ア)~にとらわれた人のような様子をしていた(単純過去形)

en proie à ~の虜になる、~に囚われる

 

*une mauvaise conscience(ユヌ・モーヴェーズ・コンシァンス)後ろめたい気持

avoir mauvaise conscience 良心がとがめる、後ろめたい気持ちがする

avoir bonne conscience 心にやましいことがない