フランス語で楽しむ「メグレ警視」

メグレ警視の原作本を味読する立場からフランス語の謎解きを試みます。横文字の文章を読み慣れるように

(メグレの特性)医学部にいたメグレ

  Ils avaient été amis jadis quand il avait fait deux ans de médecine, à l’université de Nantes.  Chabot, lui étudiait le droit.  Ils vivaient dans la même pension.  Deux ou trois fois, le dimanche, il avait accompagné son ami chez sa mère, à Fontenay.

(©Georges Simenon : Maigret a peur; Chap.1er) 

 

 彼がかつてナント大学の医学部で2年間学んでいたとき、彼らは友人だった。シャボのほうは法律を勉強していた。彼らは同じ寮で暮らしていた。二三回、日曜日に彼は友人のメグレをフォントネーの母親のもとに連れて行ったことがあった。

(#60『メグレの途中下車』第1章)原題「メグレは恐怖の念を抱く」

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*メグレの経歴では、ナント大学で学んだことは知っていたが、それが医学部だったことがここで明かされている。なぜ医者にならなかったのかの理由はそのうち出てくるかもしれない。判事ならば法学部必須だが、警察官には必ずしも法学部でなくともなれると思う。下記に紹介するサイト「いるすか」ではメグレを「運命の修繕人」と評しているが、医者でない医者という点では名言だと思う。

https://irusuka.sakura.ne.jp//maigret/maigret.html

 

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Crédit d’image : Vue de la fac de droit, Université de Nantes @Google street-view

ナント大学法学部

 

Ils avaient été amis jadis < avoir, être(イルザヴェテテ・アミ・ジャディス)彼らは昔、友人だった(大過去形)

 

quand il avait fait deux ans de médecine < avoir, faire(カンティラヴェフェ・ドゥザンドゥ・メドシヌ)彼が2年間医学部で学んでいたとき(大過去形)

 

à l’université de Nantes(アリュヌヴェルシテ・ドゥナント)ナント大学で

 

lui étudiait le droit < étudier(リュイ・エテュディエ・ルドロワ)彼は法律を勉強していた(半過去形)

 

Ils vivaient dans la même pension < vivre(イルヴィヴェ・ダンラ・メームパンシォン)彼らは同じ寮で暮らしていた(半過去形) 

 

Deux ou trois fois, le dimanche(ドゥウトロワフォワ・ルディマンシュ)2~3回、日曜日に

 

il avait accompagné son ami < avoir, accompagner(イラヴェタコンパニェ・ソナミ)彼は友人を連れて行った(大過去形)

 

chez sa mère(シェサメール)彼の母親のところに