フランス語で楽しむ「メグレ警視」

メグレ警視の原作本を味読する立場からフランス語の謎解きを試みます。横文字の文章を読み慣れるように

(メグレの日常)ロワール河畔の別荘での週末

ー Que dirais-tu d’aller passer le week-end à Meung-sur-Loire ? (---)

ー Mais... tu… Et ton enquête ?...

ー Elle a besoin de mijoter…

ー Quand partirions-nous ?

Après le déjeuner…

ー En voiture ?

ー Bien entendu...

(©Georges Simenon : Maigret et le tueur; Chap.5) 

 

「週末をムン=シュル=ロワールに行って過ごすのはどうだい?」

「でも、あなた・・・事件の捜査は?」

「煮詰める時間が必要なんだ。」

「いつ出発すればいいの?」

「昼食のあとだよ。」

「車で?」

「もちろんさ。」

(#97『メグレと録音マニア』第5章)

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*メグレは数年後に迫った定年を見越して、老後を過ごすための家をムン=シュル=ロワール Meung-sur-Loire に買っていた。パリの南南西約150km のロワール河畔に位置する。夫人が車の免許を取り、時々車で往復するが、運転はあまり得意ではないのでパリ市内は極力走らないようにしている。メグレは事件の捜査が行き詰まったり、解決まであと一息というところでも、リフレッシュするために出かけることがよくある。

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Crédit d’image : Vue du village de Meung-sur-Loire, Loiret

@Google street-view

 

Que dirais-tu de < dire(クディレチュ・ドゥ)~するのはどうかね?(条件法)直訳では「~することに関して君は何を言うだろうか?」

 

*aller passer le week-end à(アレパッセ・ルウィーケンド・ア)週末を~で過ごしに行く 

le week-end は英語だが、ほとんどフランス語として日常的に使われている。

à la fin de la semaine が正しいフランス語だが、丁寧すぎるのであまり使われない。

 

Et ton enquête ?(エトン・ナンケト)それであなたの事件は?

 

*Elle a besoin de mijoter(エラブズワン・ドゥ・ミジョテ)煮詰める必要がある(elle は l’enquête のこと)

avoir besoin de ~する必要がある

 

Quand partirions-nous ? < partir(カン・パルティリォン・ヌー)いつ出発しましょうか?(条件法・現在形)

 

Après le déjeuner(アプレ・ルデジュネ)昼食のあとで

 

En voiture ?(アンヴォワチュール)車で?

 

Bien entendu(ビァン・ナンタンデュ)もちろんさ