フランス語で楽しむ「メグレ警視」

メグレ警視の原作本を味読する立場からフランス語の謎解きを試みます。横文字の文章を読み慣れるように

(フランス語警察用語)他には起こりえないこと

» ー Vous voulez voir le commissaire Maigret ?

» (---) Cécile attend… Elle suit avec confiance son guide improvisé…

» La porte vitrée franchie…

» Avouez, Dandurand, que c’est ainsi que cela s’est passé, parce que cela ne pouvait pas se passer autrement ! ...

(©Georges Simenon : Cécile est morte; Chap.4 de 3e Partie) 

 

「『メグレ警視に会いたいんでしょ?』

(---) セシルは待っていた。彼女は急に現れた案内人を信用してついて行った。

ガラス張りのドアを越えて・・・

ダンデュラン、白状しな。こうやって事が起きたんだろ。他に起きるはずがないんだからな。」

(#41『セシルは死んだ』第3部・第4章)

 

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*第2の事件の疑問は、セシルが警視庁の建物の中でどうして殺されなければならなかったのか?である。メグレは叔母の死に関わる重要な秘密を知っていたからだと推理した。関係者の中では、元弁護士のダンデュランだけが、警視庁と裁判所の建物の内部を知り尽くしていた。前の晩には事件の直前まで被害者と話をしていた。それが終わって一階下の自分のアパルトマンに戻ったが、階上で起きた事件が筒抜けに聞こえたので、自分の地位を危くする情報をセシルが翌朝警視庁に持参することがわかり、それを阻止しようと試みたのだと推理する。(たとえ物音が筒抜けでも、これほどまでに細かい行動内容がわかるかどうかという点ではちょっと無理があるように思う。)

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Crédit photo : L’écran sur Youtube

Téléfilm italien “Un ombra su Maigret” (Cécile est morte) 1964 ©RAI  

avec Gino Cervi  @lellos68 

 

Vous voulez voir < vouloir(ヴヴレヴォワール)あなたは会いたいのですか?

 

Cécile attend < attendre(セシル・アタン)セシルは待っている(現在形)

 

Elle suit avec confiance son guide improvisé < suivre(エルシュイ・タヴェクコンフィアンス・ソンギド・アンプロヴィゼ)彼女は急に現れた案内人を信用してついて行く(現在形)

 

*La porte vitrée franchie < franchir(ラポルト・ヴィトレ・フランシ)越されたガラス張りのドア⇒ ガラス張りのドアを越えて franchie は franchir の過去分詞 franchi を形容詞的に使ったもの la porte を装飾するので e がついた

 

Avouez que < avouer(アヴエ・ク)~ということを白状しなさい(命令形)

 

c’est ainsi que cela s’est passé < se passer(セタンシ・クスラセパッセ)それはこのようにして起こった(従属節は複合過去形) 

 

parce que(パースク)なぜならば 

 

cela ne pouvait pas se passer autrement ! < pouvoir(スラヌプヴェパ・スパッセ・オートルマン)他に起きることはありえなかった(半過去形)