フランス語で楽しむ「メグレ警視」

メグレ警視の原作本を味読する立場からフランス語の謎解きを試みます。横文字の文章を読み慣れるように

メグレ警視の食卓「ヤマドリ茸と若鶏のワイン煮」(コッコーヴァン)

ー Il y a le coq au vin et on m’a apporté ce matin des cèpes assez jolis…(---) Toujours le même beaujolais, monsieur Maigret ? 

(©Georges Simenon : Cécile est morte; Chap.2 de 3e Partie) 

 

若鶏のワイン煮があります。それに今朝かなり上等なヤマドリ茸が入りましたよ。(---) いつもと同じボージョレですね、メグレさん。」

(#41『セシルは死んだ』第3部・第2章)

 

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Crédit photo : Coq au vin - Cafe Delites

@cafedelites.com

 

*警視庁に戻る途中で、メグレはポルト・ドルレアン付近の小さな路地にあるなじみのレストランで昼食を取る。ヤマドリ茸(フランスではセプと呼んで愛好されるキノコ料理)、若鶏のワイン煮、ボージョレの赤ワイン、ガトー・モカのデザート、コーヒー、食後酒としてアルマニャック、とかなり豪勢な食事となった。メグレの食事場面でも屈指のものである。もちろん米国人の研究員をもてなす意味もあり、また食べながら事件の推理を突き詰めていく機会でもあった。

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Crédit photo : Cèpes à la bordelaise - Cuisine AZ

@cuisineaz.com

 

*Il y a le coq au vin(イリヤ・ルコッコーヴァン) 若鶏のワイン煮があります

le coq au vin はフランス伝統の若鶏を赤ワインで煮込んだ料理。

連想させる単語として「風見鶏」は coq de crocher(鐘楼の鶏)と言い、料理名への誤用も含め xx (coq au vent) xx とは言わないようだ。

 

on m’a apporté des cèpes assez jolis < avoir, apporter(オンマ・アポルテ・デセプ・ザッセジョリ)かなり上等なヤマドリ茸を持ってきた(複合過去形)

 

Toujours le même beaujolais(トゥジュー・ルメーム・ボージョレ)いつもと同じボージョレ・ワイン