フランス語で楽しむ「メグレ警視」

メグレ警視の原作本を味読する立場からフランス語の謎解きを試みます。横文字の文章を読み慣れるように

メグレ警視の食卓「鱈のブランダード」

ー Tu aimes la brandade de morue ?
ー Je l’adore.  Je ne la digère pas, mais j’en mange quand même chaque fois
que j’en ai l’occasion…
ー Justement !... Ta femme t’en fait souvent ?
ー Non.  Cela demande trop de travail.  C’est un plat qu’on prépare rarement
chez soi…
ー Donc, tu en manges au restaurant, quand il y en a...
(©Georges Simenon : Maigret et son mort; Chap.2)

鱈のブランダードは好きかね?」
「大好きですね。胃に重い感じなんですが、それでもやはり機会があれば必ず食べます。」
「そうだろう! 奥さんがときどき作ってくれるのかい?」
「いいえ。手間がかかりますからね。自分の家ではたまにしか作らない料理ですよ。」
「それじゃ、レストランでそれがあるときに食べるんだね。」
(#55『メグレと殺人者たち』第2章)

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*フランスでは習慣として金曜日に魚を食べることが多いのだが、事件の日は水曜日だった。被害者が夕食に食べたと推定できるレストラン、特に南仏風の名前の店を捜すようにジャンヴィエに指示した。「ブランダード」は南仏ラングドック地方の郷土料理、日本語検索でも沢山紹介されている。
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Crédit photo : Recette Brandade de
morue

*Tu aimes la brandade de morue ?
< aimer(チュエーム・ラブランダード・ドゥモリュ)君は鱈のブランダードが好きか?

Je l’adore < adorer(ジュラドール)私はそれが大好きです  

*Je ne la digère pas < digérer(ジュヌラ・ディジェールパ)私はその消化が悪い⇒ 胃に重い感じ

*mais j’en mange quand même < manger(メ・ジャンマンジュ・カンメーム)でも私はやはりそれを食べます(現在形)
quand même それでも、やはり

chaque fois que j’en ai l’occasion(シャクフォヮ・ク・ジャンネ・ロカジォン)私に機会があるときは毎回

Justement(ジュストマン)まさに、ちょうど

Ta femme t’en fait souvent ? < faire(タファム・タンフェ・スヴァン)君の奥さんはときどき君にそれを作ってくれるのか?

*Cela demande trop de travail < demander(スラドゥマンド・トロドゥトラヴァィユ)それは多過ぎる労力を要求する⇒ 手間がかかる

C’est un plat qu’on prépare rarement chez soi < préparer(セタンプラ・コンプレパール・ラルマンシェソヮ)それは自分の家ではたまにしか作らない料理です

Donc, tu en manges au restaurant(ドン・チュアンマンジュ・オレストラン)それじゃ、君はレストランでそれを食べる

quand il y en a(カンティリヤンナ)それがある時には