フランス語で楽しむ「メグレ警視」

メグレ警視の原作本を味読する立場からフランス語の謎解きを試みます。横文字の文章を読み慣れるように

(有名なメグレ警視)メグレ式捜査法の研究

 Qu’est-ce que l’homme de Scotland Yard pouvait penser de lui ?  Il était venu
pour étudier les « méthodes de Maigret », et Maigret n’avait pas de méthode.
Il ne trouvait qu’un gros homme un peu balourd, qui devait lui apparaître
comme le prototype du fonctionnaire français.
(©Georges Simenon : Mon ami Maigret; Chap.1er)

 

 スコットランド・ヤードの男はメグレをどう思っていたのだろうか?彼は
メグレの捜査方式」を研究するためにやって来た。だがメグレは方式を持っていなかった。 やや鈍重な大柄な男でしかなく、彼にとっては典型的なフランス人公務員のように見えたに違いなかった。
(#57『メグレ式捜査法』第1章; 原題は「わが友メグレ」)

 

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*今日から新しい事件『メグレ式捜査法』(Mon ami Maigret 「わが友メグレ」)を読み始める。
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メグレの名声 (la réputation de Maigret) はロンドン警視庁スコットランド・ヤード)にも伝わっていて、フランスの警察庁長官がロンドンを訪問した際に「一度見に来たら」と語ったのがきっかけで、壮年のパイク警部が研究にやって来た。英米人はフランス語が第一外国語なので、意思疎通には問題ないという前提である。事件らしい事件が起きないまま3日経過したところで、南仏のポルクロール島でメグレが過去に取り扱った事件の人物が殺されたという連絡が入り、パイク警部とともに現地に赴くこととなった。

 

pouvait penser de lui < pouvoir(プヴェパンセ・ドゥリュイ)彼のことを思っていた(半過去形)
 
Il était venu pour étudier < être(イレテヴニュ・プーレチュディエ)彼は勉強に来ていた(半過去形)

 

*« méthodes de Maigret »(メトッドドゥメグレ)メグレの捜査方式
méthode n.f. 思考方法、方式、手順、やり方

 

Maigret n’avait pas de méthode < avoir(メグレ・ナヴェパ・ドゥメトド)メグレは方式を持たなかった(半過去形)

 

balourd(バルー)adj. 鈍重な

 

qui devait lui apparaître < devoir(キドゥヴェ・リュイ・アパレートル)見えたに違いない

 

comme le prototype du fonctionnaire français(コムル・プロトティプ・デュフォンクシォネールフランセ)フランス人公務員の典型のように