フランス語で楽しむ「メグレ警視」

メグレ警視の原作本を味読する立場からフランス語の謎解きを試みます。横文字の文章を読み慣れるように

(メグレの日常)夕食後の散歩

ー Si nous allions prendre l’air ?
Les réverbères du boulevard Richard-Lenoir étaient allumés, bien qu’il ne fit
pas encore tout à fait nuit.  Ils n’étaient pas les seuls à se promener le long
du trottoir, paisiblement, sans autre but que de goûter la fraîcheur après une
chaude journée.
(©Georges Simenon : L’ami d’enfance de Maigret; Chap.2)

「散歩に行こうか?」
まだすっかり暗くなっていないのにリシャール・ルノワール大通りの街灯はついていた。歩道をたどって散歩するのは彼らだけではなかった。暑かった一日の終わりの涼しさを楽しむだけの目的で、のんびりと歩くのだ。
(#96『メグレの幼な友達』第2章)

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Si nous allions(シヌザリオン) もし行くとしたら⇒行こうか(接続法現在形)
prendre l’air(プランドルレール)気分転換に外の空気を吸いに出る、散歩する、外出する

réverbère(レヴェルベール)n.m. 街灯

allumé(アリュメ)pp. 点灯した

bien que ~(ビアンク)~であるのに、~にもかかわらず

il ne fit pas encore < faire(イルヌフィ・パザンコール) まだ~になってない(単純過去形)il fait nuit. 夜になる

tout à fait(トゥタフェ)すっかり

* se promener(スプロムネ)散歩する
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Crédit photo: Louis Hayet (1864–
1940) Promenade nocturne, ca
1891-92; artnet.com

この事件の時は6月。緯度が高いパリはちょうど夏至の前後で日が最も長い時期なので、夜9時でもまだ明るいことがある。湿気もないのでそぞろ歩きには最適だ。
イメージ 2

*ノクチュルヌ(英語でノクターン)はロマンチックな単語:nocturne(ノクチュルヌ)adj. 夜の、夜間の  n.m. 夜想曲、夜行性動物 n.f. 夜間営業、夜間開館、ナイター などごく一般的にも広く使われる。(ヘアサロンなどで夜間営業の日が決まっている)

(tout) le long du trottoir(ルロンデュトロットワール)歩道に沿って(tout が省略されることが多い)

paisiblement(ペジブルマン)adv. 穏やかに、静かに
sans autre but que(サンゾートルビュトク)~より他の目的なしに

goûter(グテ)味わう、楽しむ

fraîcheur(フレシュール)n.f. 涼しさ、冷気、新鮮さ

après une chaude journée(アプレジュヌ・ショードジュルネ)暑い一日のあとで