フランス語で楽しむ「メグレ警視」

メグレ警視の原作本を味読する立場からフランス語の謎解きを試みます。横文字の文章を読み慣れるように

フランス語の慣用表現「右腕になる」

ー Puis il est devenu le bras droit d’un négociant de Mâcon qui avait une succursale à Paris. (---) Il a travaillé dur.

(©Georges Simenon : Maigret et le marchand de vin; Chap.1er) 

 

それから彼はパリに支店を持っていたマコンの仲買人の右腕になった。 (---) 一生懸命働いたよ。」

(#98『メグレとワイン商』第1章)

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Puis il est devenu le bras droit < être, devenir(ピュイ・イレドヴニュ・ルブラドロワ)それから彼は右腕になった(複合過去形)

*要職を支える人物という意味では日本語とまったく同じニュアンスになる。(英語の場合は right arm ではなくて right hand ということで「右手」になる=おそらく翻訳では「右腕」)

le bras droit

Crédit d’image : Comment choisir son bras droit - La Vie éco

https://www.lavieeco.com/affaires/carriere/comment-choisir-son-bras-droit-22224/

「彼は有能で仕事が早くリーダーシップもある。私の右腕にしたいものだ。」

「彼は考えが古くてソリが合わない。ヤメ時かな。」



d’un négociant de Mâcon(ダンネゴシアン・ドゥマコン)マコン(ワイン)の仲買人の

 

qui avait une succursale à Paris < avoir(キアヴェ・ユヌシュキュサル・アパリ)パリに支店を持っていた(半過去形)

 

Il a travaillé dur < avoir, travailler(イラトラヴァイエ・デュー)彼は一生懸命働いた(複合過去形)

*travailler dur(慣用語)必死に働く、猛勉強する←(硬く働く)