フランス語で楽しむ「メグレ警視」

メグレ警視の原作本を味読する立場からフランス語の謎解きを試みます。横文字の文章を読み慣れるように

(メグレの特性)~の皮の中に自分の身を置く⇒その人の身になり切る

  Techniquement, il n’avait commis aucune faute, et aucun cours de police n’apprend à se mettre dans la peau d’une jeune fille, élevée à Nice, par une mère à moitié folle.

(©Georges Simenon : Maigret et la jeune morte; Chap.9) 

 

 技術的には彼は何の過ちも犯さなかった。そしてどんな警察の講義でもニースで半狂人の母親に育てられた若い娘の身になり切るように教えることはない。

(#72『メグレと若い女の死』第9章)

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*最後の詰めのところでロニョン刑事は失敗した。メグレの特異性はその被害者(もしくは加害者)の身になり切って物事を感じ取ることにある。

 

 

Techniquement(テクニクマン)技術的に

 

il n’avait commis aucune faute < avoir, commettre(イルナヴェコミ・オーキュヌフォート)彼は何の過ちも犯さなかった(大過去形)

 

et aucun cours de police(エ・オーキャンクードゥポリス) そしてどんな警察の講義でも

 

n’apprend à se mettre dans la peau < apprendre(ナプラン・アスメトル・ダンラポー)~の身になりきることを教えることはない

 

d’une jeune fille(デュヌジューヌフィユ)若い娘の

 

élevée à Nice(エルヴェ・アニース)ニースで育った

 

par une mère à moitié folle(パーユヌメール・アモワチエフォル)半狂人の母親に