フランス語で楽しむ「メグレ警視」

メグレ警視の原作本を味読する立場からフランス語の謎解きを試みます。横文字の文章を読み慣れるように

(こだわりの酒)ぶすっとしてペルノー酒

  On aurait pu croire qu’il était de mauvaise humeur, mais ceux qui le connaissaient savaient que ce n’était pas le cas.(---) Toutes ces images-là se mêlaient, encore confuses, et quelque chose finirait bien par sortir.(---)

Un pernod !  dit-il machinalement.

(©Georges Simenon : Maigret et la jeune morte; Chap.4) 

 

 彼は機嫌が悪いと思われてもいいのだが、彼のことをわかっている人たちはそうでないことを知っていた。(---) これらのイメージが混じり合っていて、さらに雑然として、最後にやっと何かが出てくるのだろう。(---)

ペルノー」と彼は機械的に言った。

(#72『メグレと若い女の死』第4章)

∞ ∞ ∞ ∞ ∞ ∞ ∞ ∞ ∞ ∞ ∞ ∞ ∞ ∞ ∞ ∞ ∞

 

*事件の捜査の途中で、情報が各方面から集まってくると、メグレは不機嫌な様子になる。しかしそれは頭の中で情報を煮詰めることで、解決の道筋が見えてくるまでの一過程なのだ。

 

On aurait pu croire que < avoir, pouvoir(オノーレピュ・クロワール・ク)人は~と思うこともできた(条件法・過去形)

 

il était de mauvaise humeur < être(イレテ・ドゥモーヴェーズ・ユムー)彼は機嫌が悪かった(半過去形)

 

mais ceux qui le connaissaient savaient que < connaître, savoir(メ・スーキコネッセ・サヴェク)しかし彼のことをわかっている人たちは~だと知っていた(半過去形)

 

ce n’était pas le cas < être(スネテパ・ルキャ)そういうことではなかった(半過去形)

 

Toutes ces images-là se mêlaient < se mêler(トゥトセジマージュラ・スメレ)これらのイメージが混じり合っていた(半過去形)

 

encore confuses(アンコーコンフューズ)さらに雑然として

 

et quelque chose finirait bien par sortir < finir(エケルクショーズ・フィニレビァン・パーソルティール)そしておしまいに何かが出てくるのだろう(条件法現在形)

*finir par +inf. 最後に~して終わる

 

Un pernod(アンペルノ)ペルノー酒(リキュールの一種)

Crédit photo : Pernod - wikimédia commons

 

dit-il machinalement < dire(ディティル・マシナルマン)彼は機械的に言った(単純過去形・倒置形)