フランス語で楽しむ「メグレ警視」

メグレ警視の原作本を味読する立場からフランス語の謎解きを試みます。横文字の文章を読み慣れるように

フランス語の慣用表現「自分に費用をかける⇒ 体面を取り繕う」

ー Ils avaient l’air de se connaître depuis longtemps, de ne plus se mettre en frais l’un pour l’autre.  Vous comprenez ?  On aurait pu les prendre pour un vieux couple.

(©Georges Simenon : Maigret et le corps sans tête; Chap.4) 

 

「互いに長いこと知っていて、何の気兼ねもなかったんです。わかります? 年経た夫婦にも見えたでしょうね。」

(#74『メグレと首無し死体』第4章)

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*女主人を宛てに店に入り浸っていたもう一人の中老の男がいた。

 

 

Ils avaient l’air de < avoir(イルザヴェ・レールドゥ)彼らは~の様子をしていた(半過去形)

 

se connaître depuis longtemps(スコネートル・ドピュイ・ロンタン)長いこと知り合っている(不定形)

 

*de ne plus se mettre en frais(ドゥヌプリュ・スメトル・アンフレ)もはや体面を取り繕うことがない(不定形)

se mettre en frais(慣用句)奮発する、体面を取り繕う、愛嬌を振りまく

 

l’un pour l’autre(ランプーロートル)互いに

 

Vous comprenez ?  < comprendre(ヴコンプルネ)あなたはわかりますか?(現在形)

 

On aurait pu < avoir, pouvoir(オノーレピュ)~と出来そうだった(条件法・過去形)

 

les prendre pour un vieux couple(レプランドル・プーアンヴュークプル)彼らを年月を経た夫婦だと見なす