フランス語で楽しむ「メグレ警視」

メグレ警視の原作本を味読する立場からフランス語の謎解きを試みます。横文字の文章を読み慣れるように

(こだわりの酒)産地特有の香りがする白ワイン

ー Votre vin est bon.

  C’était vrai.  La plupart des bistrots de Paris annoncent un « petit vin de pays », mais il s’agit le plus souvent d’un vin trafiqué qui vient tout droit de Bercy.  Celui-ci, au contraire, avait un parfum de terroir que le commissaire essayait d’identifier.

(©Georges Simenon : Maigret et le corps sans tête; Chap.1er) 

 

「いいワインだね。」

 それは本当だった。パリのほとんどのビストロは《産地からのワイン》とのたまわっているが、しばしばそれはベルシー倉庫から持ってきたブレンドしたワインだった。それに対してここのは産地特有の香りがするのだ。警視はそれを見分けたいと思った。

(#74『メグレと首無し死体』第1章)

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*昔はパリのベルシー河岸にはワインの流通倉庫が軒を並べていた。メグレの事件簿としては別に『メグレとワイン商』がある。メグレがバーでちょっと一杯という時、ビールの他には白ワインということが多い。

 

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Crédit d’image : L’écran sur Youtube 

Téléfilm #5 “Maigret et le corps sans tête” avec Bruno Crémer

1992.09 © Dune / France2  

 

Votre vin est bon < être(ヴォートルヴァン・エボン)あなたのワインはいい(現在形)

 

C’était vrai < être(セテヴレ)それは本当だった(半過去形)

 

La plupart des bistrots(ラプリュパー・デビストロ)ほとんどのビストロ

 

annoncent un « petit vin de pays » < annoncer(アノンス・アンプチ・ヴァンドゥペィ)「産地のちょっとしたワイン」とのたまっている(現在形)

 

mais il s’agit le plus souvent de < s’agir(メ・イルサジ・ルプリュスーヴァン・ドゥ)しかしそれはしばしば~のことである(現在形)

 

*un vin trafiqué(アンヴァン・トラフィケ) ブレンドしたワイン

trafiquer un vin ワインに混ぜ物をする、

 

qui vient tout droit de < venir(キヴィァン・トゥドロワ・ドゥ)~からまっすぐ来ている(現在形)

 

Celui-ci, au contraire(スリュイシ・オーコントレール)それに対してこのワインは

 

*avait un parfum de terroir < avoir(アヴェ・アンパーファン・ドゥテロワー)産地特有の香りがした(半過去形)

goût de terroir ワインの産地特有の味

 

que le commissaire essayait d’identifier < essayer(ク・ルコミセール・エッセィエ・ディダンティフィエ)それを警視は見分けようとした(半過去形)