フランス語で楽しむ「メグレ警視」

メグレ警視の原作本を味読する立場からフランス語の謎解きを試みます。横文字の文章を読み慣れるように

(メグレ季節描写)窓に凍りついた霜が花のように

  En écartant le rideau, il découvrit des fleurs de givre sur les vitres.  Les becs de gaz avaient une luminosité spéciale qu’on ne leur voit que par les grands froids et il n’y avait pas une âme boulevard Richard-Lenoir, (---)

(©Georges Simenon : Maigret et le voleur paresseux; Chap.1er) 

 

 カーテンを開けると、窓に凍りついた霜が花のようになっているのを見つけた。街灯は厳しい寒さでしか見ないような特別な明るさをしていた。そしてリシャール=ルノワール大通りには人っ子一人いなかった。

(#84『メグレと優雅な泥棒』第1章)

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Crédit photo : Fleurs de givre

http://dagand.net/Etranges/FleursDeGivre/fleurs_de_givre.htm

 

En écartant le rideau < écarter(アンネカルタン・ルリドー)カーテンを開けながら(現在分詞)

 

il découvrit des fleurs de givre < découvrir(イルデクーヴリ・デフルードゥジヴル)彼は霜の花を見つけた(半過去形)⇒凍りついた霜が花のようになっているのを見つけた

 

sur les vitres(シューレヴィトル)窓ガラスに

 

Les becs de gaz(レベック・ドゥガズ)街灯(直訳では「ガス灯」だが、電化された現代でもこの言い方が残っていたと思われる)

 

avaient une luminosité spéciale < avoir(アヴェチュヌ・リュミノジテ・スペシァル)特別な明るさだった(半過去形)

 

qu’on ne leur voit que < voir(コンヌ・ルーヴォワ・ク)~でしか見ないような(現在形)

 

par les grands froids(パーレ・グラン・フロワ)厳しい寒さによって

 

et il n’y avait pas une âme < avoir(エ・イルニャヴェパ・ジュナーム)そして人っ子一人いなかった(半過去形=頻用定型句)