フランス語で楽しむ「メグレ警視」

メグレ警視の原作本を味読する立場からフランス語の謎解きを試みます。横文字の文章を読み慣れるように

(メグレ美術館)ルーベンス風の女性

  Charlotte se déshabillait en se regardant dans l’armoire à glace. (---) Elle était grasse et rose comme un Rubens, mais elle avait la manie de se serrer.

(©Georges Simenon : Les caves du Majestic; Chap.1er) 

 

 シャルロットは衣装戸棚の鏡の中の自分を見ながら服を脱いでいた。(---) 彼女はルーベンスの絵にあるような肉太でピンク色の身体だったが、自分から締めつける努力をしていた。

(#42『ホテル・マジェスティックの地下室』第1章)

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*新しい事件の始まり。夜明け前のパリ郊外サン=クルーの家にナイトクラブで働くシャルロットが帰ってくる。ホテル勤務のプロスペル・ドンジュとはすれ違いの生活である。

 

se déshabillait en se regardant < se déshabiller, se regarder(スデザビエ・アンスルギャルダン)自分の姿を見ながら服を脱いでいた(半過去形、現在分詞)

 

dans l’armoire à glace(ダンラルモワール・アグラス)衣装戸棚に付いている鏡の中に

 

*Elle était grasse et rose < être(エレテ・グラス・エローズ)彼女は肉太でピンク色の身体だった(半過去形)

grasse < gras adj. 肥満した、太った、脂肪質の、ねっとりした

 

comme un Rubens(コマン・リュバンス)ルーベンスの作品にあるような

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Crédit d’image : Pierre Paul Rubens (1577-1640) Le Débarquement de Marie de Médicis au port de Marseille, le 3 novembre 1600(マリー・ド・メディシスマルセイユ上陸)

La Galerie Médicis, Musée du Louvre

Photo (C) RMN-Grand Palais (musée du Louvre) / Hervé Lewandowski

 

*mais elle avait la manie de se serrer < avoir(メ・エラヴェ・ラマニー・ドゥスセレ)しかし彼女は自分の身体をしめつけるのにこだわっていた(半過去形)

avoir la manie de ~する癖がある、~にこだわる