フランス語で楽しむ「メグレ警視」

メグレ警視の原作本を味読する立場からフランス語の謎解きを試みます。横文字の文章を読み慣れるように

(メグレの特性)捜査の停滞期

  C’était un mauvais moment à passer.  Dans presque toutes ses enquêtes, Maigret connaissait cette période plus ou moins longue de flottement pendant laquelle, comme disaient tout bas ses collaborateurs, il avait l’air de ruminer.

(©Georges Simenon : Le Voleur de Maigret; Chap.5) 

 

 最悪の時間が過ぎていた。ほとんどすべての事件の捜査においてメグレは多かれ少なかれこの長く不安定な時期のことを知っていた。その間中は部下たちが小声で言うように、彼は考えを反芻しているように見えた。

(#93『メグレの財布を掏った男』第5章)(メグレの泥棒)

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*捜査の最初から掴みどころのない事件だった。被害者の夫リケンは第一発見者であり、通報者だったが、発砲の硝煙反応も無く、供述する態度をみても容疑者として逮捕する理由が見つからなかった。それでも彼を自由放免する気はなく、次の日も警視庁で話を聞くことにした。

 

C’était un mauvais moment à passer < être(セテ・アンモーヴェモマン・アパッセ)過ごすにはひどい時間だった(半過去形)

 

Dans presque toutes ses enquêtes(ダンプレスク・トゥトセザンケット)ほとんどすべての事件の捜査において

 

connaissait cette période < connaître(コネッセ・セットペリオド)この期間のことを知っていた(半過去形)

 

plus ou moins longue de flottement(プリュズーモワン・ロングドゥ・フロットマン)多かれ少なかれ長く不安定な

 

pendant laquelle(パンダンラケル)その間中は

 

comme disaient tout bas ses collaborateurs < dire(コムディゼ・トゥバ・セコラボラトゥー)彼の部下たちが小声で話していたように(半過去形)

 

il avait l’air de ruminer < avoir(イラヴェレー・ドゥリュミネ)彼は考えを反芻しているように見えた(半過去形)