ー Je me suis réveillée vers le milieu de la nuit avec d’horribles brûlures d’estomac. (---) Je me suis précipitée vers la salle de bains et je me suis enfoncé deux doigts dans la bouche afin de vomir. (---) C’était comme du feu, avec un arrière-goût que je reconnaîtrais entre mille.
(©Georges Simenon : Les Scrupules de Maigret; Chap.7)
「真夜中ごろ、胃が焼けるようなひどい痛みで目を覚ましました。 (---) 急いで浴室に行って、吐き出すために指を二本、口の中に突っこみました。(---) どこか覚えがあるような後味のする、火のような感じでした。」
(#79『メグレと火曜の朝の訪問者』第7章)(メグレの心配事)
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*ここでは、特に主語が女性の場合の代名動詞の活用形(=複合過去形)の練習にもなる。
Crédit d’image : En finir avec les brûlures d'estomac @fnac.livre
https://livre.fnac.com/a1938946/B-Wendland-En-finir-avec-les-brulures-d-estomac
*Je me suis réveillée < être, se réveiller(ジュムシュイ・レヴェイエ)私は目を覚ました(代名動詞・複合過去・女性形)
réveiller v.t. 目を覚まさせる、起こす
se réveiller v.pr. 目が覚める、目を覚ます
vers le milieu de la nuit(ヴェール・ミリュ・ドゥラニュイ)真夜中ごろ
*avec d’horribles brûlures d’estomac(アヴェク・ドリブル・ブリュリュー・デストマ)胃が焼けるようなひどい痛みで
brûlure n.f. やけど、焼け焦げ、やけるような痛み
avoir des brûlures d’estomac(常に複数形で)胃がキリキリ痛む、胸やけがする
*Je me suis précipitée < être, se précipiter(ジュムシュイ・プレシピテ)私は急いで行った(代名動詞・複合過去・女性形)
précipiter v.t. 強く押す、早める、せかせる
se précipiter v.pr. 急いで行く、急ぐ
vers la salle de bains(ヴェーラ・サルドゥバン)浴室のほうに
*et je me suis enfoncé deux doigts < être, s’enfoncer(エ・ジュムシュイ・アンフォンセ・ドゥドワ)そして私は二本の指を突っこんだ(代名動詞、複合過去形)
enfoncer v.t. 差し込む、突っこむ、押し込む、追いやる
s’enfoncer v.pr. 奥に入れる、はまり込む、没頭する
※ここで注目すべきは(原文の誤植でなければ)語り手の女性の行動で「突っこんだ」je me suis enfoncé の過去分詞が enfoncée となっていない点である。単に「突っこむ」だけなら他動詞の enfoncer だけでもいいのだが、ここでは「自分の身に」なので s’enfoncer を使ったと思う。しかし「自分の身に」は間接目的語であるので動詞変化には反映されなかったのだ。直接目的語は deux doigts 「二本の指を」(男性名詞の複数形)になる。しかもこれは動詞の後にあるので、過去分詞の動詞変化はなかったということになる。
dans la bouche(ダンラブーシュ)口の中に
*afin de vomir(アファン・ドゥ・ヴォミール)嘔吐するために
vomir v.t. 吐く、嘔吐する ※これが他動詞なのは、何か物を吐き出すというふうに対象物が他にあるからだと思う。
*C’était comme du feu < être(セテ・コムデュフー)それは火のようだった(半過去形)※ du feu と部分冠詞を使う場合と le feu と定冠詞を使う場合とのニュアンスの違いを身につけることは正直至難の技であるような気がする。
avec un arrière-goût que(アヴェカン・ナリエールグー・ク)~のような後味をもって
*je reconnaîtrais entre mille < reconnaître(ジュルコネートレ・アントルミル)どこかで覚えていたような(条件法・現在形)
entre mille どこかで、数多くの中で