フランス語で楽しむ「メグレ警視」

メグレ警視の原作本を味読する立場からフランス語の謎解きを試みます。横文字の文章を読み慣れるように

(フランス語警察用語)見張る、何とかしろよ

ー Je voudrais qu’on surveille au plus tôt la maison d’un certain Norris Jonker, avenue Junot. (---) Mets au moins deux hommes et une voiture…

ー Je ne suis pas sûr qu’il en reste dans la cour.  Je crains que non…

ー Débrouille-toi...

(©Georges Simenon : Maigret et le fantôme; Chap.5) 

 

「大急ぎでジュノ通りのノリス・ヨンカーという家に見張りをつけてくれ。(---)少なくとも二人と車一台を配置するんだ。」

「中庭に車が残っているかどうかですね。多分ないと思います。」

「何とかしろよ。」

(#89『メグレと幽霊』第5章)

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*メグレはビストロから電話で警視庁の部下に件の家の張り込みを命じる。21世紀の現在からすればかったるい動きだが、そもそも捜査本部長であるメグレ自身が単身で事情聴取に行き、捜査の最先端で動き回ることそのものがすでに不自然になっているのは確かだ。

 

Je voudrais que < vouloir(ジュヴドレ)~してほしい(常用句:条件法現在形)

 

on surveille au plus tôt la maison d’un certain ~ < surveiller(オンシュルヴェイユ・オープリュト・ラメゾン・ダンセルタン) 大急ぎで~という家を見張る(接続法現在形=動詞活用は直接法と同じになることが多い)

 

Mets au moins deux hommes et une voiture < mettre(メソーモワン・ドゥゾム・エユヌヴォワチュール)少なくとも二人と車一台を配置しろ(命令形・二人称)

 

Je ne suis pas sûr que < être(ジュヌシュイパ・シュールク)私は~が確かだと思わない

 

il en reste dans la cour < rester(イランレスト・ダンラクー)中庭にそれ(車)が残っている

 

Je crains que non < craindre(ジュクラン・クノン)私はないということを恐れる=多分ないと思います

 

*Débrouille-toi < se débrouiller(デブルイユ・トワ)なんとかしろ(命令形)