フランス語で楽しむ「メグレ警視」

メグレ警視の原作本を味読する立場からフランス語の謎解きを試みます。横文字の文章を読み慣れるように

(こだわりの酒)寒気がしたのでグロッグ

  Rue Caulaincourt, il entra dans le premier bistrot venu où, comme il venait d’avoir un frisson, il commanda un grog. (---)

  Il but une large gorgée de son grog avant d’entrer la cabine téléphonique 

(©Georges Simenon : Maigret et le fantôme; Chap.2) 

 

 コーランクール通りで、彼は最初に見つけたビストロに入った。寒気がしていたのでグロッグを注文した。(---)

 電話ボックスに入る前に彼はグロッグを大きく一飲みした。

(#89『メグレと幽霊』第2章)

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Crédit d’image :  Vue d’un bistrot, rue Caulaincourt, Paris 18e

@Google street-view

 

*il entra dans le premier bistrot venu < entrer(イラントラ・ダンル・プルミエ・ビストロ・ヴニュ)彼は最初に見つけたビストロに入った(単純過去形)

le premier ~ venu(成句)最初に来た~、最初に出くわした~

 

comme il venait d’avoir un frisson < venir(コミルヴネ・ダヴォワール・アンフリッソン)彼は寒気を感じたところだったので(半過去形)

 

où il commanda un grog < commander(ウ・イルコマンダ・アングロッグ)そこで彼はグロッグを注文した(単純過去形)

 

Il but une large gorgée de son grog < boire(イルビュ・ユヌラージュ・ゴルジェ・ドゥソングロッグ)彼はグロッグを大きく一飲みした(単純過去形)

 

avant d’entrer la cabine téléphonique(アヴァン・ダントレ・ラキャビン・テレフォニク)電話ボックスに入る前に



*参考再出:

1.(こだわりの酒)風邪気味のときの「グロッグ」(2019.06.01)

https://maigretparis.hatenablog.com/entry/18891295

 

2.(こだわりの酒)風邪をひいたらグロッグ (2019.12.30)

https://maigretparis.hatenablog.com/entry/2019/12/30/091319

 

*(再掲)メグレの事件では、グロッグを飲む場面が結構多い。事件の解決のためなら身体に少々無理をしてでも動き回るので、風邪気味になることも多いからだ。グロッグは英国起源だが、フランスでは風邪を引いたら飲む物という習慣が定着している。ラム酒にレモン、砂糖、スパイス等を加えてお湯割りで供される。