フランス語で楽しむ「メグレ警視」

メグレ警視の原作本を味読する立場からフランス語の謎解きを試みます。横文字の文章を読み慣れるように

(メグレと印象的な女性たち)可哀そうな微笑みのエヴリーヌ

 »  Eveline est plutôt jolie, mais personne ne se retournerait sur elle dans la rue.  Elle a eu, dans la maison de son père, qui était veuf, une enfance sans joie.  Elle était timide, effacée, avec ce que Deberlin appelle un pauvre sourire.

(©Georges Simenon : Maigret s’amuse; Chap.2) 

 

「エヴリーヌはどちらかといえばきれいなんだが、街中で彼女を振り返って見るほどではないよ。妻をなくした父親のもとで寂しい幼少期を送っている。可哀そうな微笑みを浮かべてとドゥベルランは言うが、彼女は引っ込み思案で目立たなかったようだ。」

(#77『メグレ推理を楽しむ』第2章)

∞ ∞ ∞ ∞ ∞ ∞ ∞ ∞ ∞ ∞ ∞ ∞ ∞ ∞ ∞ ∞ ∞

f:id:maigretparis:20200729092109j:plain

*メグレは、事件の中心の医師夫妻に関する情報を、いつもと違う方法で、つまり友人のパルドンに頼んで、医者仲間のドゥベルランにきいてもらった。容疑者としては、夫のジャーヴ医師と代診のネグレル医師が考えられた。

 

est plutôt jolie < être(エプリュト・ジョリ)どちらかといえば美しい

 

mais personne ne se retournerait sur elle < se retourner(メ・ペルソンヌ・ヌス・ルトゥルヌレ・シューエル)しかし誰も彼女を振り返って見ることはないだろう(条件法現在形)

 

dans la rue(ダンラリュ)街中で

 

Elle a eu une enfance sans joie < avoir, avoir(エラウ・ユナンファンス・サンジョワ)彼女は喜びのない幼少期を過ごした(複合過去形)

 

dans la maison de son père(ダンラメゾン・ドゥソンペール)父親の家で

 

qui était veuf < être(キエテ・ヴフ)寡夫だった(妻をなくしていた)(半過去形)

 

Elle était timide, effacée < être(エレテ・ティミド・エファセ)彼女は引っ込み思案で、目立たなかった(半過去形)

 

avec ce que Deberlin appelle un pauvre sourire < appeler(アヴェク・スク・ドゥベルラン・アペル・アンポーヴル・スリール)ドゥベルランが可哀そうな微笑みと呼んでいるような