ー Vous accepterez bien un petit verre ?...
ー Sans façon… non…
ー Un jour, vous reconnaîtrez que j’ai fait tout ce que j’ai pu et...
(©Georges Simenon : Cécile est morte; Chap.3 de 2e Partie)
「ちょっと一杯お飲みになりませんか?」
「いや本当に結構です。」
「いつか、私が出来ることをすべてやったということがわかるでしょう。それで・・・」
(#41『セシルは死んだ』第2部・第3章)
∞ ∞ ∞ ∞ ∞ ∞ ∞ ∞ ∞ ∞ ∞ ∞ ∞ ∞ ∞ ∞ ∞
*メグレは、最初から怪しいと目をつけている男から酒をご馳走になるつもりはなかった。何度かの面会で勧められてもかたくなに断わり続けた。
Crédit photo : Association Sans Façon
Épicerie sociale, 40110 Morcenx-la-nouvelle
Vous accepterez bien un petit verre ? < accepter(ヴザクセプトレビァン・アンプチヴェール)ちょっと一杯お飲みになりませんか?(単純未来形)
*Sans façon… non(サンファソン・ノン)いや本当に結構です(格好つけて言ってる訳じゃなくて・・・)non merci, sans façon. とも言う。
sans façon(サンファソン)気取らずに、もったいぶらずに
Sans façon このままで商品のブランド名や商店の名前などに多く使われている。
来客の応対の場で、日本でよくあるのが「遠慮して」いや結構です、という言い方である。そもそもこの「遠慮」という概念が欧米にはなく、置き換え可能な単語を見つけるのに苦労する。「自尊心、プライドが邪魔して」とか「自制して~」なら見つかるが、「遠慮」とはニュアンスが異なる。これは日本人の美徳なのか、それとも欧米人にとって、わけのわからぬ取り繕いなのだろうか?
Un jour(アンジュール)いつの日か
vous reconnaîtrez que < reconnaître(ヴルコネートレ・ク)あなたはわかるでしょう(単純未来形)
j’ai fait tout ce que j’ai pu < avoir, faire, pouvoir(ジェフェ・トゥスク・ジェピュ)私ができることをすべてやったということを(複合過去形)