フランス語で楽しむ「メグレ警視」

メグレ警視の原作本を味読する立場からフランス語の謎解きを試みます。横文字の文章を読み慣れるように

メグレ警視の食卓「オゼィユ風味のフリカンドー」(仔牛肉の煮込み)

 Irma avait accroché à la porte une ardoise sur laquelle elle avait écrit à la
craie, sous les mots « plat du jour » : Fricandeau à l’oseille.(---)
 À midi, ils étaient attablés tous les deux près de la fenêtre, et Irma en per-
sonne les servait.
(©Georges Simenon : Maigret et son mort; Chap.4)

 イルマは石板にチョークで《本日の料理:オゼィユ風味のフリカンドー》と書いて戸口に引っ掛けていた。(---)
 お昼に(メグレとリュカは)二人そろって窓際のテーブルに座り、イルマが自ら給仕した。
(#55『メグレと殺人者たち』第4章)

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Irma avait accroché à la porte < accrocher(イルマ・アヴェタクロシェ・アラポルト)イルマは戸口に引っ掛けていた(大過去形)

une ardoise(ユヌアルドヮーズ) n.f. スレート、石板

sur laquelle elle avait écrit < avoir, écrire(シューラケル・エラヴェテクリ)その上に彼女は書いていた(大過去形)

à la craie(アラクレ)n.f. 白墨、チョークで

sous les mots « plat du jour » (スーレモ・プラデュジュール)《本日の料理》の言葉の下に

*Fricandeau à l’oseille(フリカンドー・アロゼィユ)仔牛肉の煮込み料理
オゼィユ風味と訳したが、オゼィユは日本で言うとスカンポ、スイバという雑草類だ。フランスでは野菜の一種として食べられるようだ。下記のサイトの料理法では、肉を野菜とブーケ・ガルニで2時間ほど煮込んで、ペースト状のオゼィユにからめて出されている。
イメージ 1

Crédit photo : Sauté de veau crémé à
l'oseille

À midi(アミディ)お昼に

ils étaient attablés < être(イルゼテ・タタブレ)彼らは食卓についていた(半過去形)

tous les deux(トゥレドゥ)二人そろって

près de la fenêtre(プレドゥラ・フネートル)窓のそばの

Irma en personne les servait < servir(イルマ・アンペルソンヌ・レセルヴェ)イルマ自ら彼らに給仕していた(半過去形)