フランス語で楽しむ「メグレ警視」

メグレ警視の原作本を味読する立場からフランス語の謎解きを試みます。横文字の文章を読み慣れるように

(フランス語警察用語)軽蔑よりも憐憫

 Il regarda son ancien camarade dans les yeux. Il était grave. Il y avait à la
fois du mépris et de la pitié sur son visage. Peut-être plus de pitié que de
mépris.
(©Georges Simenon : L’ami d’enfance de Maigret; Chap.7)

 彼は昔の級友の顔を正面からじっと見つめた。深刻な態度だった。彼の顔には軽蔑と憐れみの感情が同時に表れていた。おそらく軽蔑以上に憐れみの気持なのだ。
(#96『メグレの幼な友達』第7章)

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*「軽蔑」も「憐憫」も捜査用語ではないが、メグレが事件の解決に際してしばしば犯人もしくは容疑者に対して抱く人間味あふれる感情に読み当たる時、ある種の感銘を与えてくれる。
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*Il regarda son ancien camarade dans les yeux.(イルルギャルダ・ソンナンシァンカマラド・ダンレジュー)(単純過去形)
regarder dans les yeux  ~をまともに見据える

à la fois(アラフォヮ)一度に、同時に

mépris(メプリ)n.m. 軽蔑
pitié(ピティエ)n.f. 憐憫、憐れみ