フランス語で楽しむ「メグレ警視」

メグレ警視の原作本を味読する立場からフランス語の謎解きを試みます。横文字の文章を読み慣れるように

(有名なメグレ警視)警視が直々に戸口に

C’est vraiment vous, Maigret ?... Je vous imaginais plus gros… Et je ne
croyais pas qu’un commissaire allait sonner aux portes
ー Cela arrive, vous voyez…
ー Bien entendu, vous venez me parler de la pauvre Josée…
(©Georges Simenon : L’ami d’enfance de Maigret; Chap.5)

「メグレってほんとにあなたですか? もっと太っていると思ってました。それに警視が直々に家の戸口を訪ねてくるとは思いませんでしたよ。」
「それはありますよ。ご覧の通り。」
「もちろん、あの可哀そうなジョゼのことを話に来たんでしょ。」
(#96『メグレの幼な友達』第5章)

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vraiment(ヴレマン)adv. 本当に

imaginais < imaginer(イマジネ)v.t. 想像する(半過去形)
gros(グロ)adj. 太った、大量の

je ne croyais pas que < croire(ジュヌクロヮイエパ)~だと思っていなかった(半過去形)

*sonner aux portes(ソネローポルト)家々の戸口を訪ねる(呼び鈴を鳴らして)まるで新聞の勧誘員のように、と言いたいところ。
イメージ 1

Crédit photo :©Robert Doisneau:
La Sonnette, 1934; sur artnet

右のロベール・ドワノーの写真《呼び鈴》は、別のフランス人のブログにも掲載されており、「子供の頃のいたずら:呼び鈴を押して逃げること」Les bêtises de notre enfance, sonner aux portes et courir. と書いてあった。現在ではこうした悪ガキのいたずらは日本でも減っているようだ。

Cela arrive < arriver(スラアリヴ)そういうことが起きるんです

vous voyez(ヴヴォワィエ)ご覧の通り、わかるでしょ(頻用句)

Bien entendu(ビアンナンタンデュ)もちろん、当然

pauvre(ポーヴル)adj. 可哀そうな