フランス語で楽しむ「メグレ警視」

メグレ警視の原作本を味読する立場からフランス語の謎解きを試みます。横文字の文章を読み慣れるように

(こだわりの酒)暑いのでビール

Le commissaire n’attendit pas la fin de la cérémonie. Il avait chaud. Il avait
soif. Quelques instants plus tard, il s’enfonçait dans l’ombre d’un bistrot où il
commanda un verre de bière.
(©Georges Simenon : Maigret et l'indicateur; Chap.4)

警視は告別式の最後まで待たなかった。暑苦しく感じ、喉が渇いていた。少しあと彼はビストロの店内に入り込んでビールを一杯たのんだ。
(#101『メグレと匿名の密告者』第4章)

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*今日の構文はかなり単純だ。動詞は単純過去形と半過去形のみ。半過去形は(~ていた)と考えるとわかりやすい。
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この事件で被害者の葬儀が行われたのは、パリ9区では主だった教会の一つ、ノートル・ダム・ド・ロレット教会である。やや広いシャトーダン通りに面しており、ちょうど道をはさんだ向かい側にビストロがある。それにしても 昼前から水分補給にビールとは

*関連リンク:パリ蝸牛散歩「ノートル・ダム・ド・ロレット教会



attendit < attendre(アタンディ)待つ(単純過去形)

cérémonie(セレモニー)n.f. 儀式、式典、洗礼式、結婚式、告別式

Il avait chaud(イラヴェショ)avoir chaud 暑く感じる
Il avait soif(イラヴェスヮフ)avoir soif 喉が渇く
*この他にも「寒い」froid「お腹が空いた」faim など、冠詞なしで使う。

Quelques instants(ケルクザンスタン)ほんのちょっと

plus tard(プリュタール)あとで

s’enfonçait < s’enfoncer(サンフォンセ)踏み込む、入り込む(半過去形)

où(ウ)そこで(関係代名詞だが、接続詞的に使われる)

commanda < commander(コマンダ)注文する(単純過去形)

un verre de bière(アンヴェール・ドゥビエール)ビール一杯

*最近のそこのビストロの灰色の看板は、フランスの小学生の書き方帳のような丸文字でユーモラスだ。(ごく単純に新鮮な食材をベースにしたレストラン)
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