フランス語で楽しむ「メグレ警視」

メグレ警視の原作本を味読する立場からフランス語の謎解きを試みます。横文字の文章を読み慣れるように

(メグレの脇役)リュカの身上

  Lucas était un curieux bonhomme, toujours mal habillé, mal bâti par surcroit, qui n’avait ni femme ni famille.

(Georges Simenon : Maigret; Chap.4) 

 

 リュカはいつも冴えない服装で、その上不格好なおかしな男だった。妻も家庭も持たなかった。

(#19『メグレ再出馬』第4章)

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*メグレの右腕と言われるリュカ部長刑事(brigadier) を評した一節。リュカはメグレ物の初期からずっとメグレの信頼を得たベテラン刑事であり続けた。特に初期メグレでは出番の頻度が高い。メグレが退職した後でのこの事件では、すでに部外者であるはずのメグレに対して心情的な支援を示そうとする。

 

Crédit d’image : L’écran sur Youtube

Téléfilm “Maigret” de “Les enquêtes du commissaire Maigret” © Antenne 2, 1970; ©INA - Institut National de l'Audiovisuel

 

était un curieux bonhomme < être(エテ・アンキュリウー・ボンノム)奇妙なおっさんだった

 

toujours mal habillé(トゥジュー・マルアビエ)いつもみすぼらしい服装をして

 

mal bâti par surcroit(マルバティ・パーシュークロワ)それに加えて不格好な

 

qui n’avait ni femme ni famille < avoir(キナヴェ・ニファム・ニファミーユ)妻も家庭も持たなかった(半過去形)