フランス語で楽しむ「メグレ警視」

メグレ警視の原作本を味読する立場からフランス語の謎解きを試みます。横文字の文章を読み慣れるように

(フランス語警察用語)怒りがこみ上げて

ー Qui est-ce qui a écrit ça ?

ー C’est justement ce que je voudrais savoir…

ー Vous avez cru que c’était moi ?

  La colère lui montait à la gorge et le commissaire s’empressa de la calmer.

(©Georges Simenon : Les caves du Majestic; Chap.6) 

 

「これ誰が書いたの?」

「そこが知りたいんですよ。」

「あたしが書いたと思ってるの?」

 彼女は怒りがこみ上げてきたので、メグレは急いでなだめようとした。

(#42『ホテル・マジェスティックの地下室』第6章)

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*メグレはシャルロットに会って、匿名の手紙と同じ文言を書かせる。やはり筆跡は酷似していた。彼女は自分が書いたと思われて憤慨する。

 

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Crédit d’image : L’écran sur Youtube

Téléfilm “Les caves du Majestic” de “Les enquêtes du commissaire Maigret” 

© Antenne 2, 1986; ©INA - Institut National de l'Audiovisuel

 

Qui est-ce qui a écrit ça ? < avoir, écrire(キエスキ・アエクリ・サ)これは誰が書いたのか?(複合過去形)

 

C’est justement < être(セジュストマン)それはまさに~だ

 

ce que je voudrais savoir < vouloir(スクジュヴドレ・サヴォワール)私が知りたいこと(条件法・現在形)

 

Vous avez cru que c’était moi ? < avoir, croire, être(ヴザヴェクリュ・クセテモワ)あなたはそれが私だと思ったのか?(複合過去形、従属節は半過去形)

 

*La colère lui montait à la gorge < monter(ラコレール・リュイモンテ・アラゴルジュ)彼女は怒りがこみ上げてきた(半過去形)直訳では「怒りが彼女ののどまで上っていた」日本語では「のどまで」というのは飽食した時くらいで、まず「頭に来る」のが一般的である。

 

et le commissaire s’empressa < s’empresser(エ・ルコミセール・サンプレッサ)そして警視は急いで~した(単純過去形)

 

de la calmer(ドゥラカルメ)彼女をなだめること