フランス語で楽しむ「メグレ警視」

メグレ警視の原作本を味読する立場からフランス語の謎解きを試みます。横文字の文章を読み慣れるように

(こだわりの酒)メグレ夫人のグロッグ

 ーJ’ai de l’eau bouillante pour te préparer un grog…(---)

  Elle versait du rhum dans un verre, du sucre en poudre, y laisser la cuiller pour que le verre n’éclate pas et ajoutait l’eau bouillante.

ーUne tranche de citron ?

ーNon...

(©Georges Simenon : Maigret et le tueur; Chap.1er) 

 

「グロッグを作ろうと思ってお湯を沸かしたのよ。」(---)

 彼女はグラスにラム酒と粉砂糖を入れて、グラスが割れないようにスプーンを置いたままで熱湯を注いだ。

「レモンは?」

「いらない。」

(#97『メグレと録音マニア』第1章)

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*自宅に帰ったメグレは、まだ起きていたメグレ夫人が用意したグロッグを飲む。砂糖の代りにハチミツを使うと風邪対策にもいいようだ。昔はまだ耐熱ガラスではなかったので、熱湯を注ぐとグラスが割れることがよくあった。それを防ぐためにグラスの中に熱伝導率の高いスプーンを入れたままでお湯を注いだ。

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Crédit photo : Grog anti-rhume @ Cuisine Etidiant

https://www.cuisine-etudiant.fr/recette/31-grog-anti-rhume

J’ai de l’eau bouillante < avoir(ジェドゥロー・ブィヤント)私はお湯を沸かした(現在形)bouillant adj. 沸騰した

 

pour te préparer un grog(プートゥプレパレ・アングロッグ)グロッグを君に用意するために

 

Elle versait du rhum < verser(エルヴェルセ・デュラム)彼女はラム酒を注いだ(半過去形)

 

dans un verre(ダンザンヴェール)グラスの中に

 

du sucre en poudre(デュシュクル・アンプードル)粉砂糖を

 

y laisser la cuiller(レッセラキュイエ)そこにスプーンを置いたままにする 

 

pour que le verre n’éclate pas < éclater(プーク・ルヴェール・ネクラトパ)グラスが破損しないように

 

et ajoutait l’eau bouillante < ajouter(エ・アジュテ・ローブィヤント)そして熱湯を加えた(半過去形)

 

Une tranche de citron(ユヌトランシュ・ドゥシトロン)レモンの一切れ



*参考再出:(こだわりの酒)風邪気味のときの「グロッグ」2019.06.01

https://maigretparis.hatenablog.com/entry/18891295

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