フランス語で楽しむ「メグレ警視」

メグレ警視の原作本を味読する立場からフランス語の謎解きを試みます。横文字の文章を読み慣れるように

フランス語の慣用表現「それらの水の中 ⇒ だいたいそこら辺」

ー Il a fait quelque chose ?
ー Nous cherchons seulement quelques informations.  Comment est-il ?
ー Plus grand et plus fort que vous et moi, dit-il, en regardant cette fois le
commissaire.  Je pèse quatre-vingt-dix-huit et il doit peser dans les cent cinq.
ー Quel âge ?
ー Cinquante ans ?  Probablement dans ces eaux-là.
(©Georges Simenon :Maigret et la Grande Perche; Chap.2)

「彼が何かしたんですか?」
「いくらか情報がほしいだけですよ。どんな人ですか?」
「あなたや私よりももっと大柄で頑丈な人です。」と今度は警視の方を見ながら言った。「私は98キロありますが、彼はおそらく105キロはあるでしょう。」
「何歳です?」
「50歳かな。おそらくそこら辺ですよ。」
(#65『メグレと消えた死体』第2章; 原題は「メグレとのっぽの女」)

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*事件があったと思われるヌィイの歯科医の家の筋向いにあったレストランでメグレは情報を聞き出す。体重の話になっているが、フランス語で70~90台の数字を言うには単語が複雑でなかなか言いにくい。子供がお風呂で毎日
100まで数えるような練習をすれば言いやすくなるかもしれない。

Il a fait quelque chose ?(イラフェ・ケルクショーズ)彼は何かしたのか?

Comment est-il ?(コマン・テティル)彼はどんな人か?

Je pèse quatre-vingt-dix-huit < peser(ジュペーズ・キャトルヴァン・ディズウィト)私は98kgの体重がある。
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*il doit peser dans les cent cinq(イルドワ・プゼ・ダンレ・サンサンク)彼はおそらく105キロあるに違いない。dans les .... は「およそ」「約」を意味する接頭句。


dans ces eaux-là(ダンセゾーラ)だいたいそこら辺
元々は船乗りや漁師がある海域・水域の辺りを話すのに使ったと言われている。

Crédit photo : Dans ces eaux-là : Patrimoine et
création contemporaine au château d'Avignon
en Camargue @amazon.fr