フランス語で楽しむ「メグレ警視」

メグレ警視の原作本を味読する立場からフランス語の謎解きを試みます。横文字の文章を読み慣れるように

(フランス語警察用語)疑う、城館荒らし、尾行、殺人事件

ー Tu connais les frères Mori ?
ー Nous les avons soupçonnés un moment d’être à la tête de ce qu’on appelé le
gang des châteaux.
(---)
ー À partir d’aujourd’hui, tu vas établir une filature de jour et de nuit…
(---)
ー Toujours à cause des châteaux ?
ー Non, cette fois, il s’agit d’un meurtre.
(©Georges Simenon : Maigret et l'indicateur; Chap.2)


「モリ兄弟を知ってるか?」
「一時、いわゆる城館荒らしの首謀者じゃないかと疑ってました。」
(---)
「今日から昼夜、尾行をつけてくれないか。」
(---)
「城館荒らしの件で?」
「いや、今回は殺人事件だ。」
(#101『メグレと匿名の密告者』第2章)

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soupçonner (de~)v.(スプソネ)疑う、あやしむ
*Nous les avons soupçonnés:直訳では「我々は彼ら(兄弟)を疑った」となるが、目的語(les 彼ら)が動詞(avons 疑った)よりも前に位置するとき、後ろの過去分詞はその目的語の性質(つまり複数形とか女性形とか)を反映させて変化する。ここでは複数形の s が付く。

un moment:(アン・モマン)一時、いっとき
à la tête de~:(アラテート・ドゥ)~の先頭に、主導者として
ce qu’on appelé:(スコン・ナプレ)直訳「人が呼ぶところの」=いわゆる

le gang des châteaux:城館荒らし(ル・ガング・デ・シャトー)ギャング gang はフランス語ではガングと発音する。
*フランスの郊外や田舎にある古い城館や屋敷に押し入って名画や家具調度品を盗む一団のこと。

à partir de~:~から

établir:体制をひく、設置する
filature:n.f.(フィラチュール)尾行
de jour(冠詞なしで使う)日中の、昼間の
de nuit(冠詞なしで使う)夜中の、夜間の

à cause de~:(冠詞なしで使う)~の理由で

il s’agit de ~:(イルサジ・ドゥ)このままで~以降の部分を強調する慣用構文「~ということだ」として使われる。

meurtre n.m.(ムートル)殺人、殺害、殺人事件


*事件の概容についてはこちらへ #101